「責任負えない」曖昧制度 行政、関与に二の足

【危険な介護リフォーム】

 介護保険を活用した住宅改修を巡り、不適切な工事事例が潜在化している。高齢者らの生活環境を整備する目的だが、行政側は、住宅は個人資産であることを理由に関与に二の足を踏む。結果として、施工の品質が担保されない曖昧な状態を招いている。

 介護保険の運営主体(保険者)は自治体だ。福岡県久留米市で起きた今回の事故でも、費用の給付は市が行った。ただ、「市は契約の当事者ではなく、工事完了後に申請を受け、給付した」(介護保険課)というのが、市側の姿勢だ。

 一方、久留米市は被保険者が業者を選びやすいよう、業者の登録制度を2013年度に設けている。業者には制度や施工内容の研修を行い、業者の登録リストをインターネットで公表している。しかし、これについても「市がお墨付きを与えているものではない」(同)。位置付けは曖昧だ。罰則はなく、今回手抜き工事が発覚した業者は今もリストに入っている。

 登録制度について、厚生労働省は「事務負担が多い」などとして、導入の判断は自治体に任せている。このため、福岡市など取り入れていない自治体も多い。

 久留米市の事故は介護保険を利用した結果、自立した生活が困難になるという、制度の根幹を揺るがす悲劇につながった。

 あるケアマネジャーは現場の実態をこう明かす。「仲介はするが、責任は負えない。どの業者にするか、必ず本人に決めてもらうようにしている」 (水山真人)

関連記事

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR