まん延防止「早めに決断を」 危機感高まる九州

 大阪府などへの新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の適用が決まり、九州でも危機感が高まっている。現状の感染者数は落ち着いているものの、再拡大の要因とされる変異株の感染者はじわりと増えてきた。自治体や医療機関、飲食店などの関係者は先行適用が決まった地域の動向を注視する。

 「福岡は少し遅れて感染者が増える。ゴールデンウイークごろに急増しないか」。新型コロナ感染者を受け入れる福岡市の病院の男性医師(69)は心配する。

 懸念は感染力が強いとされる変異株の広がりだ。1日現在、変異株感染者(疑いも含む)は福岡県で13人、大分県で10人など増加傾向にある。拡大すれば病床は逼迫する。男性医師は「医療体制を守るため(重点措置適用などを)早めに決断してほしい」と訴える。

 重点措置の適用により、自治体は対象地域の飲食店に午後8時までの営業短縮を要請するとみられる。1月からの緊急事態宣言でほぼ休業を強いられた福岡市・中洲の高級クラブの男性幹部(60)は「やっと客が戻りつつある時。再び要請があれば逆戻りだ」と警戒する。一方、京都大の橋口隆生教授(ウイルス学)は「感染が落ち着いている時期でも、大人数での会食は避けるなど我慢が必要だ」と呼び掛けた。

 自治体は関西での再拡大に警戒を強める。佐賀県は1日、大阪府と兵庫県への不要不急の往来自粛を県民に求めた。山口祥義知事は「全国的に変異株の感染が拡大している。警戒しなければいけない」と述べた。

 観光業界も再拡大地域の状況を見守る。JR博多駅前の都ホテル博多は、2月から宿泊客が回復傾向だった。多くが関東、関西からのビジネスやレジャーでの利用。担当者は「4月以降も増えると思ったが、不透明になった」。JR九州は需要回復を見越し、ゴールデンウイーク期間中の九州新幹線「さくら」の臨時列車を増発する計画だった。再拡大により利用者が想定を下回る恐れもあり、広報担当者は「利用状況を注視したい」とした。 (斉藤幸奈、古川剛光、野村有希、竹中謙輔、井崎圭)

関連記事

PR

社会 アクセスランキング

PR