「売れませんか?」15年樽熟成、酒税法で商品化されずにいた逸品

 15年の木樽(だる)熟成でウイスキーのように琥珀(こはく)色をした麦焼酎がベースの“秘蔵酒”が、福岡市中央区の西鉄グランドホテルで販売されている。大分県佐伯市の酒造会社が焼酎として仕込みながら、酒税法の「色規制」から商品化されずにいた逸品。食物繊維を加えることで風味そのままに焼酎から混成酒のリキュールに種別を変え、同ホテルの限定ブランドに仕立てた。同酒造は「やっと味わってもらえる」と喜んでいる。

 新商品は、コナラ樽で15年寝かされた麦焼酎が原材料のリキュール「想~SOU~」(アルコール度数38%)で、濃い琥珀色と芳醇(ほうじゅん)な味が特徴だ。

 同ホテルのレストラン部長らが昨年10月、食材探しで佐伯市の酒造会社「ぶんご銘醸」を訪問。複数銘柄を試飲した帰り際、「これ、売れませんかね」と差し出されたのが15年熟成の焼酎だったという。

 酒樽はウイスキーやブランデー、ワインなどの洋酒で使われるが、近年は「樽熟成焼酎」も人気だ。3年以上熟成の焼酎は「古酒」に分類され、期間が長いほど液体は濃さを増し、香りや味わいも深まる。

 一方で、酒税法に関する国税庁の規制により、色の濃さはウイスキーの10分の1程度の「0・08以下」と定められているため、両社は無味無臭の食物繊維を加えることでリキュールでの商品化を目指した。

 ぶんご銘醸の狩生孝之社長(49)は「将来の規制緩和を期待して、樽で寝かせていた。本当は焼酎として売りたかった」。同ホテル担当者は「ウイスキーのように香ばしく、まろやかな味。炭酸で割って飲むのがおすすめです」と話した。

 「想」は、500ミリリットルで8640円(税込み)。1万本の製造で、同ホテル内で2月から販売している。

 (大淵龍生)

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