50歳の仮面ライダーが伝えることは

子どもの頃のヒーローは永遠の存在。筆者の世代の代表格は今もシリーズが続く「仮面ライダー」かもしれない。きょう4月3日は50年前、テレビ放送の初回があった記念の日である▼原作者の石ノ森章太郎さんはこのヒーローを生み出すため50枚以上の絵を描き、幼い息子に見せた。息子が即座に選んだのが、バッタをモチーフにした斬新な風貌の絵だったとか▼バッタのような跳躍からの蹴りを必殺技に持つ主人公。エネルギーは「風」だ。ベルトのバックルの風車から風を取り込み、自然を壊し世界征服をたくらむ悪の組織と戦った▼水俣病イタイイタイ病など公害が社会問題化していた時期。旧環境庁の発足もこの年だ。バッタのニューヒーローは自然環境の保護が叫ばれ始めた時代の「風」にも乗った。そのころ「苦海浄土」で水俣病を告発したのが石牟礼道子さん。亡くなる6年前、2012年の対談で語った▼「形あるものはみんな生命を持っていますよね。その生命の全体を考えないと。いまの近代というのは、そういうのをバラバラにしてきた時代でしたので、ここで猛反省をしてそこへ立ち返らないと、生命たちは助からないと思いますね」▼地球上で絶滅の危機にある野生生物は3万5千種以上。今春のひどい黄砂の原因に砂漠化を挙げる専門家もいる。ストップ温暖化の「風」を起こすヒーローは? そう、私たち一人一人しかいない。

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