改正著作権法施行 多様性と包摂性ある制度に

 著作権は、知的生産活動に従事する私たち全てに関係する。社会の「スマート化」に伴う技術革新を受け、著作権法はほぼ毎年のように改正されてきた。その中で、「侵害コンテンツのダウンロード違法化」の規制範囲の拡大が争点となり、政治的にも混乱が生じたことは記憶に新しい。

 「海賊版」への緊急対策として、2018年秋に「著作権を侵害する静止画(書籍)のダウンロード違法化」として始まった議論は、違法な著作物であることを知って行うダウンロード(スクリーンショットを含む)を広範に違法化するとともに、その一部を刑事罰の対象とする方向に舵(かじ)が切られた。19年初めに文化庁が国会に提出しようとした「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」に関する法案(以下、文化庁当初案)は、その志向する規制範囲が広範に過ぎ、私たちの情報収集活動や知的生産活動に対する悪影響が避けられないという理由から、文化庁に設置された審議会でも異論が相次いだ。その反対を押し切る形で文化庁当初案は取りまとめられたが、自民党による与党審査の過程で、受益者であるはずの漫画家はもとより、建築家やデザイナー、100人超の弁護士有志など、社会の幅広い層から強い異論が示され、最終的に法案の国会提出が見送られる異例の事態となった。...

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