地下鉄工事で見つかったお堀の石垣

エキマチ 福岡市営地下鉄開業40年 大濠公園駅(中央区)

 親子連れやランナーが行き交う福岡市地下鉄の大濠公園駅。1周約2キロの園路や遊具を備えた中央区の大濠公園は、市民の憩いの場として親しまれている。

 園の大半を占める池はかつて福岡城の大堀だった。初代福岡藩主の黒田長政は1601年からの築城で、博多湾の入り江の一部を埋め立て堀を造った。この福岡城が建っていた場所が、東に隣接する舞鶴公園。春になると約千本の桜が咲き誇る。同駅のロゴマークも桜の花をあしらっている。

 福岡城跡は1957年に国の史跡に指定された。市史跡整備活用課によると、自然石を積んだ天守台と比べ、割石を用いた二の丸の石垣は勾配が急で高さも増している。「7年間の築城で積み方がうまくなっている。石垣を見れば建てた順番が分かるとも言われています」と長家伸課長。同駅5番出口の通路には、史跡の見どころや石垣の位置を示した地図が掲示されている。

 5番出口から同園北側の堀沿いに出る。史跡を眺めて赤坂駅方面へ進むと、同駅の約160メートル手前に白いタイル張りの小さな建物が現れた。外壁には「福岡城跡堀石垣」の文字が。明治末期に路面電車を敷設するため埋められ、78年の地下鉄開通工事で見つかった堀の北壁だ。

 扉をくぐって階段を下ると、ゴツゴツとした大きな石が長さ十数メートルにわたり積まれていた。最も高い部分で2・2メートル。「今立っている場所がお堀の水の中だったんですよ」。来訪者を見守る市シルバー人材センターの浜泰浩さん(80)=同区荒戸=が教えてくれた。

 ここは石垣が交わる角の部分。使われた墓石や古地図などから、異なる年代に作り替えられたことが確認されたという。83年の市の調査報告書は「福岡城の縄張りの変遷を考える上で重要な発見」と保存の意義を記している。

 一方、浜さんは現役時代に路面電車で天神まで通勤していたが「地下にこんなものがあるとはつゆ知らず」。街の移り変わりに思いを巡らせていた。堀石垣は年末年始を除く土日の午前10時~午後5時に公開されている。

(横田理美)

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