「初の女性」か「初の生え抜き」か 福岡知事選

 新人の一騎打ちとなった福岡県知事選(11日投開票)は、どちらが当選しても同県で「初」の知事となる。元福岡市議の星野美恵子氏(70)=共産支持=なら「初の女性」、元副知事の服部誠太郎氏(66)=自民、立民、公明、社民推薦=なら「初の生え抜き」だ。2人はそれぞれ働く女性や県庁マンとして培った強みを前面に出し、支持の取り込みを図っている。

 「仕事や子育て、介護に苦労した女性の意見を県政に生かすことが全ての県民の幸せに通じる」。星野氏は3日午前、福岡市のJR博多駅前の演説で声を張り上げた。

 同県では、現憲法下で知事となった7人全員が男性。女性が候補になることも初めてだ。

 星野氏は、仕事と子育ての両立の壁にぶつかったことが政治家としての原点にある。公約の柱に「ジェンダー平等」を掲げ、保育所の増設や県幹部職員の女性割合引き上げを目指す。

 2月には森喜朗元首相が「女性がたくさんいる会議は時間がかかる」と発言し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を辞任。改めて「ジェンダー平等」の大切さに注目が集まっている。星野氏は「意思決定で『女は黙れ』は許されない。ジェンダー平等は世界でも日本でも大きな流れになっており、県政の隅々に貫く」と意気込む。

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 一方、県職員出身の服部氏は同日午後、福岡市・天神の新天町商店街でマイクを握り、こう力を込めた。「県行政に44年間携わった経験を生かし、即戦力で県を飛躍させる覚悟だ」

 同県の歴代知事7人のうち5人が官僚出身で、2人は衆院議員と大学教授出身。九州では長崎県の中村法道知事が県職員からの生え抜きだが、全国的にも少ない。服部氏はパンフレットにも副知事時代の写真を並べ、県庁での実績を強調する。

 新型コロナウイルス対応では、知事に休業要請などの権限が与えられ、どのような支援策を打ち出すかも問われる。知事が下す判断の重要性は増しており、自民党県議は「知事は官僚の天下りポストではない。地域の事情を一番知る人物がなるべきだ」と主張する。

 服部氏は50代の頃、官僚の指定席だった財政課長に生え抜きとして初めて起用された。服部氏は「福岡県のことは福岡県で決める。これができないと駄目だ。地方分権改革を全力で推進する」と訴えている。

(御厨尚陽、華山哲幸)

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