九州ラーメン党活動30年、被災者になり気づいたこと

 全国の被災地で炊き出し活動をしてきた熊本県益城町のNPO法人「ボランティア仲間九州ラーメン党」。浜田龍郎理事長(76)も5年前の熊本地震で被災した一人だ。真っ先に駆けつけてくれたのは、東日本大震災の被災地で知り合った仲間たち。被災し、支援される立場を経験したことで「助けを必要とする人たちの力になりたい」という思いを新たにしたという。

 活動のきっかけは、1991年6月に発生した雲仙・普賢岳(長崎県)の噴火災害。当時ラーメン店を営み障害者支援活動をしていた浜田さんは、「普賢岳近くの障害者施設が被災した」と知り、現地へ向かった。翌年、障害者支援活動に取り組む知人らと「九州ラーメン党」を結成。95年の阪神大震災、2011年の東日本大震災などの被災地にも入り、振る舞ったラーメンは計10万杯を超えた。

 16年4月、益城町は2度にわたり震度7の激震に襲われた。浜田さんの自宅は半壊。全国の仲間から次々と安否確認の連絡が来た。本震翌日の同17日、宮城県石巻市からボランティア仲間が駆けつけた。「今までの活動が全てつながった。本当にうれしかった」

 その日から自宅の片付けは仲間に任せ、町内の避難所で炊き出しを始めた。ボランティアセンターを立ち上げ、全国から来る人や支援物資をいち早く受け入れた。

 「被災者の力になりたいと思って支援してきたが、どこかに『やってあげている』気持ちがあった」。自分が被災者となり、そう気付いた。「この5年間で、一緒に食べるように、被災者に寄り添うことが大切だという思いが強まった」

 昨年以降の新型コロナウイルス禍で東北の被災地訪問は2年連続で断念したが、活動は止めない。熊本豪雨の被災地の野菜を買い取って販売し、売り上げ全額を東北のボランティア団体に寄付した。コロナの影響で廃業した事業者の再起を支援するために、一時的に営業できる仮設店舗を益城町内に準備中だ。

 「人は、人のために生きてこそ人」。仲間とともに、これからも温かいラーメンを振る舞い続ける。 (松本紗菜子)

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR