コロナ経営難で解雇「相当性欠き無効」 福岡地裁が仮処分決定

 新型コロナウイルスで業績が悪化した福岡県内の観光バス会社から整理解雇された50代の男性が、雇用関係の確認と未払い賃金の支払いを求めた仮処分の申し立てについて、福岡地裁(小野寺優子裁判官)が「相当性を欠く」として解雇を無効と判断、月約18万5千円の支払いを命じる決定をしたことが分かった。

 3月9日付の決定によると、男性は2017年7月から正社員として運転に従事。会社の19年度の売り上げは毎月2千万~3500万円あったが、20年5月はゼロになった。会社は同年3月末、従業員20人のうち新たに始める高速バス事業の運転に応じない男性ら4人を解雇や雇い止めにした。

 小野寺裁判官は人員削減の必要性を認めたが、削減計画を十分に説明せず、希望退職を募らないまま解雇を予告した点を「拙速」と指摘。解雇対象の選定方法も不適切とし「解雇は合理性を欠き、社会通念上、相当とはいえない」と述べた。

 会社の経営悪化による整理解雇は、(1)人員削減の必要性(2)解雇回避努力(3)人選の合理性(4)事前の説明や協議-を満たしていることが要件。男性の代理人の西野裕貴弁護士は「コロナ禍で経営が厳しくても、適正な手続きを欠けば違法になることを示した」と評価。会社側の弁護士は「今後は要件に十分注意していく」と話した。 (森亮輔)

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