42年10カ月「町のお医者さん」ありがとう 閉院に住民寄せ書き

 福岡県久留米市三潴町の清水整形外科医院が3月31日限りで閉院した。清水万喜生(まきお)医院長(79)が高齢になったため。地元の子どもからお年寄りまで、42年10カ月も診てきた「町のお医者さん」。最後の日は、約80人が受診やあいさつに訪れ、清水さんに感謝を伝えた。

 運動着の女子中学生を診察する清水さん。バレーボールで左小指を突き指したという。はれや痛み、動きを確認し「折れてない。大丈夫」とにっこり。つられて生徒の頬も緩んだ。

 ある男性は「先生は目を見て話してくれた。説明も丁寧で」。電子カルテは使わず全て手書き。痛みの原因は、赤鉛筆と青鉛筆で絵を描いて説明した。

 「話すだけで楽になるという患者さんもいた。不安をよく聞き共感すること、体に触れて動きをよく見ることを大切にしてきた」と清水さん。久留米市大善寺町出身。鹿児島大医学部で学んだ。九州大病院、福岡大病院を経て、清水整形外科医院を1978年6月に開業した。

 患者の家庭や仕事といった背景も理解して治療することが「かかりつけ医の醍醐味(だいごみ)」という。腰を痛めてよく来院した大川市の農業石橋正好さん(43)は親子3代でお世話に。「昨日はお母さんも来たよ」「最近調子はどう?」。まるで親戚のようだ。

 「今までありがとうございました」。診察室で涙ぐむおばあちゃんも。「地域密着で一生懸命やってきただけ。ありがたい」と清水さん。待合室には、花や小学生からの寄せ書きが、所狭しと並んでいた。別れを惜しむ短歌も届いたという。 (平峰麻由)

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