店員を怒鳴り、一気飲み強要…18歳のボーイ「それが大人の振る舞いか」

復刻連載・18歳オトナですか?<2>

 金はあるのに余裕がない。一気飲みを強要したり、ささいなことで店員を怒鳴りつけたり。それが大人の振る舞いなのか。

 酔客が行き交う福岡市・中洲の街角で、ボーイ姿のタクミ君に声を掛けた。地元の先輩に誘われ、2015年11月からクラブで働き始めたばかりだ。毎夜、さまざまな大人たちが来店する。

 オトナですか?と聞くと「思わない」ときっぱり。18歳といえば、たいていは高校生。自分の稼ぎで生活しているわけではない。自身にも当てはまる。クラブで湯水のように金を使う大人たちには程遠い。

 半面、高い料金を払ってまで女性が接待する店に来る気が知れない。「誰にでも笑顔をつくれる女の子の方が尊敬できますよ」。自分も笑顔で頭を下げる。ふさわしく振る舞っている。

 高校は2年で中退した。授業がつまらなく感じ、寝てばかりいたら付いていけなくなった。親とも折り合いが付かず、実家を出た。昨年春から祖母と2人で暮らしている。

 夜の仕事を長く続ける気はない。楽しそうで「とりあえずやっている」。目標は「とりあえず稼ぐ」。選挙権については「自分だけサボっても変わらない」。

 大人の振る舞いって何だろう。祖母には家賃として月3万円を渡している。とりあえず、そこがスタート地点ということか。

    ×     ×

 早生まれの18歳だから、昨年春に高校を卒業したモモコさん。今、福岡市内の予備校に通う。大学不合格の苦味をはじめ、いろいろ経験を積むにつれて「子ども扱いされるのは嫌だ」。でも結局、親がいないと生活できない。

 その親にいら立つ。特に父。「俺と一緒に勉強しよう」と予備校入りを反対された。素人に教えられるわけないのに。「受験生はテレビを見るな」。気が向くと「一緒に見よう」。職場ではしっかりしているらしいが、家ではだらだら。言動不一致に、いらいら。

 予備校は面白い。さまざまな人に出会える。特に九州以外から寮に入っている浪人生は興味深い。県民性ってやっぱりある。価値観が違うからこそ「こうなりたい」と思わせてくれる。講師陣も皆、個性的だ。

 面白がれるのは、中学3年の時の担任のおかげでもある。「受験の時期でも人間関係はおろそかにしないで」。心に染みた。目標の人。自身も教育学部を志望している。

 キャンパスライフは楽しいだろうな。実は選挙権よりお酒に興味がある。こっちも18歳に引き下げればいいのに。「責任ばかり与えられても…」。政治の“言動不一致”に、いらいら。

 予備校に気になる受験生がいる。とにかくまじめで一生懸命。その姿勢が「すごくいい」。ゴールに向けて自分も突っ走りたい。

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 ◆連載「18歳 オトナですか?」は、選挙権年齢が18歳に引き下げられた2016年に掲載しました。2022年度には民法上の成人年齢も引き下げられます。彼らを大人として迎え入れる社会環境は整っているでしょうか。当時の連載を読み返し、考える材料にしてみませんか。文中の年齢、肩書、名称などの情報は全て掲載当時のものです。

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