療養施設、支えているのに…福岡県の支援金、派遣看護師外し

 新型コロナウイルス患者を治療する医師や看護師への福岡県独自の「医療従事者支援金」(1人当たり最大10万円)について、正規の県職員である保健師や臨時職員(会計年度任用職員)の看護師が対象外となっている。県は「要請に応じてくれた外部の医療関係者へのお礼」と説明。ただ、無症状や軽症者向けの宿泊療養施設で看護の大部分を担う派遣の看護師も対象から外れており、識者も疑問視している。

 西日本新聞「あなたの特命取材班」に、派遣看護師から「感染リスクを負いながら、高齢患者の身体管理や搬送など現場を支えてきたのは自分たちなのに」と訴えが寄せられた。

 県は支援金対象を「患者受け入れ医療機関と宿泊療養施設で、患者の体に直接接するなどの治療、看護に携わった医療従事者」としている。合計で24時間以上従事すると、10万円を支給(複数での申請も可)。対象期間は2020年2月から21年3月末まで。

 県は昨年4月以降、福岡、北九州、久留米の3市6ホテルで軽症者向けの宿泊療養施設を運営。感染拡大時は臨時の看護師を特に必要とし、県が自ら臨時職員として任用したり、派遣会社に委託したりしてきた。

 県によると、現在は1日当たり約50人が4ホテルで従事中。昨年6月までは外部医療機関からの応援看護師もいたが、8月以降は看護は派遣と臨時職員だけ、現在は派遣だけで担っているという。派遣看護師は派遣会社の雇用だが、県側の指揮命令で勤務する。

 申請は医療機関がとりまとめて行う。入院患者を受け入れた医療機関(現在約70カ所)には、既に2871人分となる合計2億7650万円を支給した(6日現在)。一方、宿泊療養施設は865万円(87人)にとどまる。

 昨年6月末までの期間、医療従事者に支払われた国の「感染症対応従事者慰労金」では県職員の保健師や臨時職員が対象だったが、8月以降に配置されている派遣看護師は支給対象外だ。

 県がコロナ患者に対応する医師と看護師に対して1日4千円を支払う「特殊勤務手当」では派遣看護師も支給対象に加えられている。 支援金の支払いについて公平さを欠くとの指摘が上がっていることについて、県は「職員も派遣看護師も本来業務として働いており、さらに税金を使うのは理解が得られない」と説明している。(水山真人)

 平等な給付にすべきだ 

 地方自治総合研究所の上林陽治研究員(社会・労働政策論)

 住民の手前、公務員は我慢しなければならないという思考停止に陥っていないか。(宿泊療養施設の運営を担う)非正規公務員(会計年度任用職員)も派遣看護師も、エッセンシャルワーカーとして同じ感染リスクにさらされている。それに報いる支援金ならば、従事している医師、看護師に等しく給付する制度にすべきではないか。

 医療従事者に十分配慮を

 連合の山根木晴久・総合運動推進局長

 コロナ禍での医療現場は、繁忙度や精神的ストレスも相当なものであり、懸命な労働に報い、モチベーションに十分配慮する丁寧な対応が必要だ。結果的に対応に差異が生じる場合には、納得を得られる十分かつ丁寧な説明責任が求められるのではないか。

 

 

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