変異株、九州でも急増200人 年度変わり目、人の往来影響か

 九州で新型コロナウイルス変異株の感染が広がっている。自治体による検査では9日現在、200人(疑い例を含む)の陽性を確認。変異株は感染力が強く、感染者の急増が懸念される。自粛疲れが広がる中、気の緩みも出てきており、専門家は「医療を守るためにも基本的な予防策を徹底してほしい」と呼び掛ける。

 九州での初確認は2月16日。鹿児島県で3人の感染が判明した。3人は知人同士で、県外の変異株感染者と接触があったという。その後、福岡県で3月19日に確認されて以降、徐々に各県に広がった。

 変異株感染者の多くは関西地方への往来があった。厚生労働省のまとめ(6日現在)では、全国の変異株感染者(疑い例を含む)は2039人で、4割近くを大阪府と兵庫県で占める。

 32人の変異株感染を確認した大分県の担当者は「大阪に遠征したスポーツチームのメンバーや学生が感染しており、関西を中心にした県外から持ち込まれたと考えている」。県では変異株感染が初確認された3月21日以降、新型コロナ感染者の8割以上を変異株が占める。熊本県の担当者は「関東や関西、福岡へ行った人やその接触者が感染している」と説明した。

 九州の現状について、京都大の橋口隆生教授(ウイルス学)は「関西を中心とした流行が、年度の変わり目で人の移動が増えたことによって広がっている」と分析。緊急事態宣言が3月22日に全面解除されたことによる「気の緩み」も影響しているとみる。

 九州の変異株感染者で確定した種類は全て英国株。国立感染症研究所によると、国内で見つかった英国株は通常株より感染力が約1・3倍強い可能性がある。感染者が急増すれば医療体制の逼迫(ひっぱく)は避けられない。

 橋口教授は「感染力が強くてもすれ違っただけでうつるわけではない。マスクを正しく着け、会食は控えるなど従来と同じ対策を徹底すれば防げる」。国も医療現場の負担を軽減しようと、変異株感染者も宿泊療養を認め、退院基準も緩和するなど方針を転換した。

 通常株では比較的少なかった子どもへの感染も懸念される。長崎大の森内浩幸教授(小児感染症)は「子どもの感染が目立つようになったが、重症化しやすくなったとの報告はないので過剰に心配する必要はない。高齢者や基礎疾患のある家族がいる場合は、子どもが家庭に持ち込むこともあり得るので気を付けてほしい」と話す。 (斉藤幸奈、下崎千加)

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