「まん延防止」に新指標 専門家の提言容認へ、6都府県に拡大

 新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が6都府県に拡大されることになった。政府は変異株の広がりを「最大の脅威」(西村康稔経済再生担当相)と警戒。さらなる拡散で全国的に医療が逼迫(ひっぱく)する事態もあり得ることから、感染状況を評価する指標に改良を加えた上で、一定の条件を満たせば重点措置の適用対象とする新たな仕組みを導入する方向となっている。

 東京、京都、沖縄の3都府県を重点措置の対象に追加することを決めた9日の政府対策本部会合。菅義偉首相は「最大限の警戒を続ける」としてこれまでより踏み込み、都道府県間の不要不急の移動を控えるよう国民に呼び掛けた。

 危機感の背景には、人口1400万人の首都に予測より速いスピードで浸透しつつある変異株の存在がある。この日の対策指針には、変異株の感染力の強さを従来の「1・32倍」と明記。3月21日時点で都内で6%だった変異株の検出割合が、今月4日時点で32%に達したとの報告もある。

 新規感染者全てが変異株となるのは、時間の問題とされる。政治がちゅうちょし、強い対策に踏み込むのが遅れれば、致命的な感染拡大を招きかねない-。そこで専門家が提起したのが、あらかじめブレーキを踏むタイミングを設定する仕組みの導入だ。

 8日、政府の感染症対策分科会は「年齢層別の新規感染者数」など新たな指標を説明。従来の6指標がステージ3(感染急増)になった段階で、新指標も一定水準を上回った場合、重点措置などの強い対策に踏み切る仕組みを導入するべきだと訴えた。新たな指標はほかに「発症日別の新規感染者数」「歓楽街のレジャー目的の夜間滞留人口」などがある。

 専門家には、昨秋の「第3波」到来時、政府により強力な対応を求めたもののブレーキに至らず、その後の急激な感染拡大を招いたとの反省がある。このため政府に対し、感染状況が悪化した際に自動的に対策を取る「サーキットブレーカー」導入を提唱してきた経緯がある。

 政府は世論や経済情勢も踏まえた政治判断の余地を残したいのが本音で、こうした考え方に否定的だった。だが急速に拡大する「第4波」への危機感が上回り、専門家の提言を容認する方向に転換。8日の分科会では、一定の条件を満たせば重点措置に踏み切る新たな仕組みの導入が固まった。近く正式決定するとみられる。 (東京支社取材班)

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