日常に潜む「落とし穴」 芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』

酒井信さん寄稿

 芦沢央は平穏だと考えていた日常を侵食する「小さな悪意」を通して小説のリアリティーを築くのが上手(うま)い。「汚れた手をそこで拭かない」は、人々が穏やかな日常生活の中で見落としているような「小さな悪意」を起爆剤として、喜怒哀楽に還元しがたい際どい感情を表現した優れた短編集である。単行本の帯文に「ひた...

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