服部氏「即戦力として迅速に施策実行」 県議会との距離感が課題

 「県行政の経験を生かし、即戦力として県民のみなさまのための施策を確実に迅速に実行する」

 11日午後8時すぎ、福岡県知事選で当選確実を伝えられた元副知事の服部誠太郎氏(66)は、福岡市博多区の選挙報告会場で県政史上初の「生え抜き」知事となる決意を力強く語った。

 新型コロナウイルス対策のため、万歳のかけ声は控え、支援者との握手もなし。会場への入場は最小限に抑え、オンラインで他会場に中継した。「ポストコロナに向けて新たなスタートダッシュ」と書かれたパネルの前で、娘から花束を手渡された服部氏は「まずはコロナ対策に万全を期し、防災減災も喫緊の課題として取り組む」と表明。副知事として予算編成に携わった県の対策事業を素早く実行に移すと語った。

 選挙戦では、災害対応や企業誘致などに取り組んだ副知事としての経験を前面にアピール。仕事ぶりを知る県職員らは「県のことは全て知っている」と口をそろえる。演説を聴いた県議も「現場の景色を見ながら話している。いよいよ地方主体の政治ができる」と期待を込めた。

 服部氏にとっては、小川洋前知事の突然の辞職によってもたらされた想像すらしなかった政治家への転身。県議会3会派から推され、コロナ禍の非常事態で政治空白を生んではいけないとの思いから決意した。当初は出馬理由を「県議会から要請された」と述べていたが、選挙戦終盤には、演説で熱を込めて「県民を守るのが俺の責任」「俺には地に足を着けて県政を進める使命がある」と力強く語るようになった。周囲も「選挙期間中に、顔つきも話しぶりも変わっていった」と話す。

 一方、生え抜きの「負の側面」として、しがらみを懸念する声もある。

 壇上でカメラのフラッシュを浴びる服部氏を囲んだのは、3会派の県議たち。最大会派の自民党県議団の重鎮蔵内勇夫県議は隣で満面の笑みを浮かべ、「福岡県のことを福岡県で決めることができる知事が誕生した」と喜んだ。

 選挙戦では「選挙は素人。どうしていいか分からない」と話す服部氏に対し、3会派が中心となって選挙対策本部を結成し、事務所開設から演説映像のSNSでの発信まであらゆる実務をサポート。高島宗一郎福岡市長との1日の会談も県議がお膳立てし、議長と副議長が同席した。

 議会への「根回し役」を担ってきただけに関係は良好だが、議会側にとっては「くみしやすい相手」(県議)でもある。服部氏を支えてきた県幹部は「知事選で議会に借りをつくった。議会の言うことを聞かないといけなくなるだろう」。ある県議は「執行部と議会の二元代表制が、議会偏重の一元代表制になるかも」と話す。

 服部氏は記者団に、今後の議会との関係を問われ、「二元代表制の中で緊張感を持って、連携すべき時は連携して福岡県の発展に努めていく」と表情を引き締めた。(御厨尚陽)

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