九大生体解剖事件の最後の証人 東野利夫さん死去

 第2次世界大戦末期に九州帝国大(現九州大)医学部で起きた「九大生体解剖事件」に関わった体験を語り伝えてきた医師、東野利夫(とうの・としお)さんが13日午前4時40分、肺炎のため福岡市の病院で亡くなった。95歳。福岡市出身。告別式は家族葬で執り行う。

 事件は1945年5~6月、熊本、大分両県境に墜落した米軍機B29の搭乗員計8人に対し、同大教授ら医師が軍監視の下、実験手術をして解剖。医学生だった東野さんは手伝い、教授ら23人が絞首刑(後に減刑)などの有罪判決を受けた横浜軍事裁判で、検察側証人となった。

 訴追は免れたが戦後も罪の意識が消えず、東野さんは40歳から裁判資料を読み込み、関係者に聞き取り調査をした。79年、「汚名『九大生体解剖事件』の真相」に記し、反響を呼んだ。事件の資料展などを開いて体験を語る一方、大分県竹田市の墜落現場そばに私財で石碑を建て、晩年まで慰霊し続けた。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR