五輪まで100日、内村「異例過ぎた1年…開催信じ」

 東京五輪開幕まで14日であと100日になった。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、開催への不安は依然として残る中、2人の金メダル候補が新たな所属先を見つけて本番への態勢を整えている。体操男子で4大会連続の五輪出場を目指し、種目別鉄棒に絞った内村航平はコロナ禍で所属先との契約を打ち切られ、今年3月、自動車販売業の「ジョイカルジャパン」と契約した。柔道女子78キロ超級の20歳の素根輝は実業団のパーク24に入社した。 

 コロナ禍の試練を乗り越え、32歳の内村が自身4度目の五輪に挑む。「五輪に対しては変わらずに開催するだろうと信じて。そこに対しての気持ちは変わっていない」。東京五輪を目前に控えて直面した環境の変化も受け止め、4個目の金メダルを目指す。

 先月中旬に開催された新所属先の発表会見で「プロでやっていくことって大変なんだなと思った」と率直な思いを明かした。リオデジャネイロ五輪で個人総合2連覇、団体との2冠を達成した後、体操選手で初のプロとなった。長崎県諫早市出身の内村は2017年に地元長崎創業の外食チェーン店リンガーハットと所属契約を結んだ。

 ところが、同社は新型コロナウイルス感染拡大で業績が大幅悪化。昨年限りで契約を断念した。内村は「どの業界の皆さんもすごく大変な思いをしている」と理解しつつ、「自分にコロナ禍がふりかかってくるとは思ってもみなかった」と、アスリートを取り巻く厳しい現実と向き合った。

 複数社から新所属先のオファーを受けた中、かねてスポンサーだった自動車販売などを手がけるジョイカルジャパンと契約を結んだ。東京五輪後の24年3月まで続く3年の長期契約だ。同社の中村靖弘代表取締役CEO(57)は「金メダルを取ってもらえたらうれしいが、内村選手の考え方、スタイルに感銘を受けていた。仮に(引退して)選手じゃなくなったとしてもいいお付き合いをしたいし、体操を広めていきたい」と語る。

 中村CEO自身、神奈川・東海大相模高時代まで体操に励み、県で上位に入賞する実力者だった。「体操から学んだことが今の僕につながっている」。新しい技への挑戦心や、演技前の恐怖心との闘いはビジネスと通じるものがあるという。内村へのサポートは自身の糧となった体操への恩返しの思いも込めている。

 「イレギュラー過ぎた」という1年を乗り越えた新しい内村の初陣は16日の高崎アリーナ(群馬)。五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権で東京に向けた挑戦が始まる。

 (伊藤瀬里加)

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