HKT新シングル、「W選抜」に込められた意味とは?

 約1年ぶりとなるHKT48の14枚目シングルが5月12日にリリースされる。既にミュージックビデオ(MV)も撮影、制作は順調なようだ。その最大の特徴は「選抜」にある。通常であれば16人の選抜1チームが歌番組などでグループの「顔」として活動するが、今回は12人ずつ2チームをつくる「W選抜」を初めて採用した。活動開始から10年目の節目、W選抜に込められた意味を考察した。

 「つばめ選抜」は田中美久をセンターに、1期生の松岡菜摘や村重杏奈、1stシングル「スキ!スキ!スキップ!」センターの田島芽瑠ら、グループを初期から支えてきた顔触れがずらりと並ぶ。実力派の本村碧唯や神志那結衣も健在。劇場などで確かなパフォーマンスを見せてきた栗原紗英や坂本愛玲菜、スポークスマン的な役割も果たす坂口理子が久々の選抜復帰を果たした。加入期でいえばドラフト2期生の松岡はな(2015年加入)が最も「若い」。

 もう一つは「みずほ選抜」。13枚目シングル「3-2」センターの運上弘菜を筆頭に、4期生以降のメンバーで構成される。たゆまぬ努力を続けてきた堺萌香や、次世代エース候補として期待を集める5期生の石橋颯と竹本くるみが初めて選抜入り。同じ5期生でも既に選抜を経験している水上凜巳花や上島楓、ドラフト3期生の渡部愛加里と、着実にキャリアを積み重ねているメンバーもいる。

 二つの選抜を分けるのはそれぞれの加入期だ。「つばめ」は11年から15年まで、「みずほ」は16年以降。10年の歩みを「前半の5年」と「後半の5年」で分けた人選になっている。

 「つばめ」が過去のものではなく現在進行形の選抜であることは強調しておきたいところだが、このタイミングで「みずほ」という若き星たちをあえてひとくくりにして活動させることは、「次の10年」を見据えた強いメッセージであるように思えてならない。実際、グループ周囲もこの見方を否定しない。

 1期生であろうと研究生であろうと、全てのメンバーが特別だ。誰かの「一推し」であり「神推し」である。かつて神志那が後輩たちに伝えたように「いなくてもいいメンバーなどいない」。ファンにとってそんな彼女たちがつくる空間や、存在そのものが宝物であり、明日への活力だ。だからこそファンは進化と成長を楽しみ、不変と永遠を望む。

 だが1期生の森保まどかが今春いっぱいでHKTを巣立つように、アイドルとしての時間は必ず終わりを迎える。HKTというグループを新たな時代につなぐために、次世代に託していくことも考えなければならない。それはグループを未来へ導く「運営」の最も大切な責務と言ってもいい。

 今後、抜本的な世代間の入れ替えがあるのか、緩やかな変化なのか。どのような「改革」が待っているのか、現時点では分からないが、W選抜はHKTの歴史において大きな意味を持ってくるだろう。

 未来への投資とも言えるW選抜だが、それによって生まれた「陰」にも触れておかねばならない。12人ずつの2チーム。言ってしまえば選抜メンバーが24人いる。16人だった前作よりもハードルが下がった印象を与える中、選外となったメンバーがいる。

 選抜に入ることが活動の全てではないが、やはり「グループにいる以上は目指したい」と語るメンバーは多い。実際にこの1年、各方面で結果を残してきたメンバーは枚挙にいとまがなく、「今回こそは」との思いも強かっただろう。

 期待が強くなる分、失望も大きい。50人という所帯である以上、「全員選抜」は難しく、誰もが完全に納得できるセレクトも不可能だ。グループに貢献を重ねるメンバーへの「報い方」にはさまざまな方法がある。可能な限り、それぞれの頑張りが喜びや未来につながるHKT48であってほしい。 (古川泰裕)

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