退学処分の発達障害児、私立小を提訴 問題行動理由「差別的」、学校側は「全力で対応した」

 福岡県内の私立小に通っていた発達障害のある男児が、障害が起因とみられる問題行動を理由に退学させられたのは違法として、学校の運営法人に慰謝料など660万円の損害賠償を求め福岡地裁に提訴した。14日に第1回口頭弁論があり、男児側は「障害児への配慮が全くされず、違法の程度は甚大」と主張、学校側は「教育上の配慮は尽くした」と請求棄却を求めた。

 訴状などによると、男児は2019年4月に私立小に入学。1年時から通学バス内で落ち着かず、級友とのトラブルも相次ぎ、手を出してしまうこともあった。2年時の20年6月、医療機関で発達障害の一つ、注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断され、保護者は学校側に伝えた。

 同年9月、級友ともめた男児が教室内で椅子を投げた。けが人はなかったが、事態を重く見た学校側は保護者に公立小への転校を提案。保護者は受け入れず、学校側は「学校の秩序を乱し、その他、生徒としての本分に反した者」を退学にできるとする学校教育法施行規則に基づき、退学処分とした。

 男児側は、問題行動は発達障害に起因すると考えられ、通院治療で症状は改善していると主張。学校側の対応を「外部専門家の助言による事態改善を図らず、主治医との連携もしていない」と批判し、退学処分は「社会通念上、著しく妥当性を欠き、障害児に対する差別的な措置」と訴える。

 男児の母親は西日本新聞の取材に「手がかかる児童を追い出したいから退学にしたとしか思えない」、代理人の小杉晴洋弁護士は「訴訟を通じ、発達障害に対する私立小の姿勢を問いたい」と話した。男児は現在、公立小に通い、特段のトラブルはないという。

 一方、学校側は「発達障害を原因に退学させたのではない」と強調。退学処分の理由について「入学時から問題行動が繰り返され、椅子を投げるという非常に危険な行動があり、他の児童の安全確保に懸念が生じた。保護者の協力も得られなかった」としている。

 男児へ対応するため常駐の臨床心理士を雇うなど配慮は続けたとして「男児が集団生活に適応しながら、心身ともに健やかに生活できるよう全力で対応した」と反論している。 (森亮輔)

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