五輪と父たちの物語

 1936(昭和11)年夏のベルリン五輪に、福岡県中学修猷館(福岡市)の学生だった故葉室鐵夫(はむろてつお)さんが出た時の話である。葉室さんは200メートル平泳ぎで、地元ドイツの期待を担ったジータス選手と接戦を演じ、金メダルを獲得した。

 これを見ていた総統のヒトラーは内心、面白くなかったはずだが、この年の秋には日本との間に防共協定が結ばれる運びで、日独は蜜月にあった。表彰式でヒトラーは起立し、右手を挙げるナチス式敬礼で葉室さんをたたえた。

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