遺骨残る土砂「使わせない」 辺野古埋め立て、沖縄一丸で反発

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に伴う名護市辺野古の埋め立て工事で、沖縄戦の激戦地だった本島南部の土砂を使う防衛省の計画に反発が広がっている。今なお戦没者の遺骨が見つかるためで、玉城(たまき)デニー知事は16日、土砂採取を計画する事業者に遺骨が含まれていないか確認を求める考えを示した。県議会も遺骨が混入した土砂を使わないよう国に求める意見書を全会一致で可決。辺野古移設に対する県民の考えはそれぞれだが、「人道上、許される行為ではない」との点では一致している。

 「遺骨が混入した土砂が使われることはあってはならない」。記者会見した玉城知事は、土砂の採取に強い懸念を示した。沖縄戦跡国定公園内で採取する計画もあり、自然公園法に基づき遺骨の確認などを求める措置命令を来月14日までに出す方針も示した。

 問題の発端は昨年4月。辺野古沿岸部の埋め立て海域で確認された軟弱地盤の改良工事を行うため、防衛省は県に設計変更を申請。大量の岩石や土砂が必要となり、調達先として名護市などに加えて、本島南部に位置する糸満市と八重瀬町の名前が初めて挙がった。

 太平洋戦争末期の沖縄戦では全国から集められた日本兵や民間人のうち18万人以上が亡くなり、県は76年がたった今も2790体の遺骨が地中に眠ると推計する。南部は最大の激戦地だった。今年3月、ボランティアで遺骨収集に取り組む具志堅隆松さん(67)=那覇市=は「犠牲者の尊厳を踏みにじる行為」と、ハンガーストライキでの抗議に踏み切った。

 反発は、辺野古への移設容認派にも広がる。県議会では今月15日、容認派と反対派が保革の立場を超えて意見書に賛同。容認派の自民党議員は「遺骨を遺族の元に返したいというのは県民共通の思いだ」と強調する。市町村議会でも意見書の採択が続く。

 一方、遺骨が混じる土砂の「使用」を法律で規制するのは容易ではなく、今後新たな採取計画が浮上しても止めることは困難とみられる。この日の知事会見後、一貫して抗議してきた具志堅さんは「国が計画を改めなければ今後もハンガーストライキを決行し、本土の遺族にも思いを伝えたい」と全国の世論を喚起する考えを示した。沖縄戦で父親が戦死し、遺骨が見つかっていないという奥田千代さん(79)=宜野湾市=も「今後も遺族の思いを訴え、行動していく」と述べた。誰もが戦没者を弔いたいと、願っている。 (那覇駐在・野村創)

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