日米文書「台湾問題」明記 初の首脳会談 対中国、威圧に反対で一致

 【ワシントン金子渡】菅義偉首相は16日午後(日本時間17日未明)、米ホワイトハウスでバイデン大統領と初めて対面で会談した。両首脳はインド太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中国について「威圧に反対する」ことで一致。会談後に発表した共同声明に「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」との文言を盛り込んだ。

 日米首脳による共同文書で台湾問題を明記したのは、1969年11月の佐藤栄作首相とニクソン大統領の会談以来で、72年の日中国交正常化以降初めて。中国が国家の「核心的利益」と位置づける台湾問題に触れたことで、中国からの激しい反発が予想される。

 バイデン氏が対面で外国首脳と会うのは1月の就任後初めて。会談はまず通訳を交えて約20分間、個別で話し合い、その後、双方の閣僚や政府高官らが参加して計約2時間半行われた。

 会談や共同記者会見でバイデン氏は「日米の前には大きな課題が待ち受けている。私たちは太平洋地域の二つの重要な民主主義国だ」と言及。首相は「日米は自由、民主主義といった普遍的価値を有する同盟国であり、その重要性はかつてなく高まっている」と強調するなど、強固な日米同盟をアピールした。

 その上で首相は、東・南シナ海で海洋進出を図る中国に対し「力による現状変更の試みや、威圧に反対することで一致した」と述べ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて協力していくと表明した。

 中国による新疆ウイグル自治区での人権弾圧を巡っては、共同声明で「深刻な懸念」を表明する一方、平和的な解決を目指し「中国と率直に話し合うことが重要」との認識も示した。

 中国が周辺で領海侵犯を繰り返す沖縄県・尖閣諸島については、米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象とすることを再確認した。

 核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、日米両国が「完全な非核化に取り組む」ことで一致。拉致問題は「重大な人権問題」であり、連携して即時解決を求めるとした。

 気候変動問題では、脱炭素化に向けた日米気候パートナーシップの立ち上げで合意。新型コロナウイルス対策や安全な第5世代(5G)移動通信システムの普及、半導体のサプライチェーン(部品の調達・供給網)の分野でも協力を推進することを決めた。

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