閉校小学校の古時計、再び時打つ 地元公民館引き取り、時計店が無償修理

 福岡市中央区の旧簀子(すのこ)小にあった柱時計が廃棄の危機を免れ、地元の簀子公民館に飾られている。7年前の閉校以前から止まっていたが、遠藤和子館長(75)が「小学校が存在した証しを残したい」と昨年引き取り、市内の時計店が無償で修理した。児童を長年ひっそりと見守った大きな古時計が、人々の善意を受け、再び時を刻んでいる。

 簀子小は1912年に開校し、児童数の減少に伴う大名小、舞鶴小、舞鶴中との4校再編で2014年3月、102年の歴史に幕を閉じた。新設の舞鶴小・中学校に統合され、残された校舎や体育館は20年度末までに取り壊された。

 柱時計は金色の振り子がぶらさがり、高さ約1・6メートル。正面にメーカーや寄贈企業の名が書かれ、職員室前の廊下の壁に掛かっていた。設置された時期は不明だが、1961年に体育館が完成した際の写真では、館内の壁に同じ時計が写っており、これが校舎内に移された可能性もある。

 簀子小は地域の運動会や夏祭りが開かれる拠点として親しまれ、閉校後も、敷地内で開かれたお別れ会などの行事に延べ1万人超の住民らが参加。自身の子どもが卒業生の遠藤館長も寂しさを募らせ、2020年10月、壊れたままでもらい手がない柱時計を記念の品として公民館に譲り受けた。

 今年、市内の時計店に経緯を説明して修理を依頼すると、「地域のためなら無償でやりたい」と引き受けてくれた。既に時計の製造をやめたメーカーの製品だったが、内部の切れたひもを換え、歯車のかみ合わせを調整するなど、手を加えると動きだした。

 柱時計は2月末に1階ロビーの壁に設置した。今後、小学校の跡地は民間企業が開発し、病院や老人ホームとともに地域交流センターや体育館もできる予定で、再び人が集まる場になる。遠藤館長は「公民館まで足を伸ばしてもらい、時計を見ながら学校の思い出に浸ってほしい」と話した。

(小川俊一)

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