商用EV、北九州で初の量産へ 地元ベンチャーが23年にも工場

 北九州市のベンチャー企業「EVモーターズ・ジャパン(EMJ)」が、バスやトラックなど商用電気自動車(EV)や電動バイクの量産組立工場を同市に建設する計画があることが分かった。自社開発車両の生産を2023年に始め、5年以内に年産1万5千台を目指す。同社などによると、商用EV専用の量産工場は国内初という。

 工場は同市若松区の洞海湾沿い、約8ヘクタールの敷地に計画。投資額は20億円超。3分の2以上を国の補助金で賄い、出資も募る。すでに複数のベンチャーキャピタルが投資に意欲を示しており、月内にも前向きな判断が示される見通し。

 EMJは、日本製鉄系の会社などで30年以上、バッテリーなどの研究をしてきた佐藤裕之社長が、退職後の19年に創業。中国・北京科技大のグループとバッテリー効率を高める制御装置を共同開発した。電気バスはステンレスや炭素繊維を使って軽量化、充電1回で最大230キロと日本製の倍以上を走れる。30人乗り小型タイプは1台約2千万円で購入でき、日本製のエンジンバスとほぼ同価格という。現在は中国メーカーに生産を委託している。

 脱化石燃料の動きが広がり、日本のバス事業者から問い合わせが相次ぐ。配送用に開発した電動三輪バイクは温度管理できるボックス付きで、大手物流会社から引き合いがある。中国生産車の輸入から国内生産に切り替えコストを抑える。

 EMJは福島県いわき市でも工場を計画し、経済産業省から総工費二十数億円のうち半額を賄う補助金の認可を受けた。投資が集まれば北九州、いわきで同時建設する可能性もある。

 北九州の工場には、自動運転電気バスの開発を目指し、テストコースも併設方針。佐藤社長は「量産化で自動運転の開発、充電インフラの整備も促進したい」と話す。 (向井大豪)

  • 西日本新聞

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