変異株猛威、福岡市内に時短要請 地域限定の対策、効果不透明

 福岡県が、1カ月前に解除したばかりの飲食店への営業時間短縮要請に踏み切った。感染力が強いとされる変異株が全国の大都市で猛威を振るう中、感染が急増する福岡市に絞って対策を打ち、さらなる拡大を封じ込めたい狙いだ。ただ、県内でも地域を問わず感染が増加傾向にあり、エリア限定の時短要請が効果を上げるのか不透明だ。 (華山哲幸、泉修平)

 「福岡市の感染拡大は県下全域に影響する。何としても食い止めたい」。服部誠太郎知事は19日の記者会見で、対策の狙いをこう説明した。異例の共同会見に臨んだ高島宗一郎市長も「福岡市が増えてから県内で増える。まず福岡市でやろうとなった」と同調した。

 福岡市は感染が広がりやすい繁華街を抱え、「九州の玄関口」として他地域との往来も活発。同市の4月の感染者数は3月の3倍超に急増し、県内の半数近くを占める。既に「福岡市からしみ出すように周辺で増加傾向」(県幹部)にあり、服部知事は「地域を限定した効果的、効率的な対策だ」と胸を張った。

 ただ、関西や関東では変異株に翻弄(ほんろう)されている。自治体独自の対策より厳しい「まん延防止等重点措置」を適用した地域ですら、感染に歯止めがかかっていないのが実情だ。大阪府や東京都は、緊急事態宣言への切り替えを政府に要請する段階に入っている。

 そんな状況で、時短要請を福岡市に限定した狙いの一つが経済だ。コロナ禍で地域経済が疲弊する中、服部氏は「感染防止拡大と社会経済活動との両立を図らなければいけない」と強調。高島市長も「経済や県民生活も傷んでいる。ピンポイントの対策が大切だ」との考えを示した。

 一方で、病床の使用率がじわじわと増加する中で、「先手を打って全県域でより強い対策が必要」(医療関係者)との声も強まる。

 高島市長は会見で「最小の痛みで最大の効果を得たいが、最初から強い対策の方が早く抑えられるという考え方もある」と述べ、コロナ対策の難しさを吐露した。「どちらが正解か結果を見ないと分からない」

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