高齢者ICカード、交付率伸びず 電子化アレルギー?佐賀市営バス

 佐賀市交通局が普及を進める70歳以上の市民を対象にした市営バス乗車券「ワンコイン・シルバーパス」のICカード交付率が伸び悩んでいる。交通局によると、3月末時点で全体に占める割合は3・98%と、目標の30%を大きく下回る。交通局はICカードへの新規登録や切り替えでポイントを付与するなど交付率向上を狙うが、高齢者の電子化への“アレルギー”は強く、有効打になっていない。

 シルバーパスは、市内の70歳以上の高齢者が市営バスを1回100円で利用できる乗車券。紙製とICカードがあり、毎年1万枚程度を交付している。運転手にパスを見せて100円を払う紙製に対し、事前に入金するICカードは機器にタッチすれば支払いが済む。

 市はキャッシュレス化の推進や利用履歴を活用した公共交通政策の充実を目指し、350万円の予算を確保。ICカードを取得すれば千円分のポイントが付く事業を昨年10月に始め、交通局や佐賀駅バスセンターなど計3カ所に案内窓口を設けた。

 交通局は9月時点のICカード比率30%を目標に掲げるが、ポイント付与を始めた昨年10月以降の半年だけでも5・70%と普及は進んでいない。交通局総務課の相島尚徳副課長は「窓口で勧めても抵抗感を示されることが多い。予想以上の低普及率だ」と頭を抱える。「チャージ(カードに入金)するのが面倒くさい」「ICカードが分からない」「今更更新しても」といった声が多いという。

 4月上旬に紙製で更新した80代女性は「どれだけ便利だと言われても、チャージの意味が分からない」とかたくなだ。女性の周囲でもICカードに切り替えた人はいないという。

 宮崎市では数年前に、宮崎交通がシルバーパスを一度にICカードへと全面変更。導入時に窓口の著しい混雑が生じたことを踏まえ、佐賀市では一斉の全面切り替えを見送った。相島副課長は「新規発行には1人5分程度必要で、一斉切り替えは難しいと判断した。紙かICか、選択肢を確保すべきだという意見もあった」と話す。

 交通局は市報やチラシなどでの啓発に加え、窓口での丁寧な説明を心掛けるが、先行きは依然厳しい。相島副課長は「強制はできない。窓口で少しでも抵抗感を払拭(ふっしょく)していきたい」と話す。問い合わせは、市交通局=0952(23)3155。 (米村勇飛)

関連記事

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR