感染者向け5割増「病床の4%」要請 福岡県、通常医療影響も

 福岡を中心に九州でも新型コロナの感染者数が急増する中、自治体は病床拡大を迫られている。現状の1・5倍の1220床を目指す福岡県は、コロナ患者を受け入れている病院に病床の4%を感染者に充てるよう要請した。具体的な数値を一律に示して協力を求めるのは初めて。九州各県も検討を進めている。

 福岡県は16日、コロナ患者を受け入れる病院の院長らが集まる会議で、4%という数字を示した。受け入れる70病院が持つ病床のうち、4%程度を確保すれば国が目安とする1220床が用意できる見通しだ。

 厚生労働省によると、県内にある全病床に占めるコロナ病床の割合は1・8%(3月17日現在)で全国最低ランク。各院長も県の要請に一定の理解を示すが、通常医療への影響や人手確保への懸念も大きい。

 福岡記念病院(239床)は現在8床あり、あと2床必要。上野高史院長は「10床受け入れるということは、人手の関係から(一般病床)30床を閉じないといけない。これまで通りに救急を受け入れるのは難しくなる恐れがある」。

 人工心肺装置「ECMO(エクモ)」の患者も含めて12床を受け持つ福岡大病院(915床)の藤田昌樹副病院長は「20床以上増やさないといけない。看護師に余裕はないので厳しいが協議したい」とした。

 感染のさらなる「急拡大時」は260床上乗せした1480床が必要と試算される。その場合は感染者を受け入れていない病院にも協力を要請するという。

 4%の病床確保は強制ではなく、個別に病院との調整を進める。会議後、福岡県の佐野正医監は「確保できない医療機関には何が障害になっているのか聞き、解決に向けてできることをしたい」と話した。

 九州各県も対応を協議している。長崎県の中村法道知事は21日の定例記者会見で「30~40床増やさなければならないと思っている」と述べた。県担当者によると、感染者を受け入れていない医療機関にも声を掛けているという。熊本県も「さらに増やす方向」で、佐賀と大分両県は「調整中」とした。

 医療を守るには病床確保と同時に感染予防策の徹底が欠かせない。九州医療センターの森田茂樹病院長は「大阪のように感染が急拡大したら、通常診療の縮小で、心筋梗塞や脳卒中患者の救急受け入れができなくなる可能性がある。危機感を共有してもらいたい」とする。 (新型コロナ取材班)

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