ワクチン、自民幹部から異論相次ぐ 総選挙迫り焦り?

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、自民党幹部から政府見解とは異なる発言が相次いでいる。4月から始まった高齢者対象の接種が思うように進んでおらず、半年内に実施される衆院解散・総選挙への影響に神経質になっていることが背景にあるようだ。不一致が続けば政権運営が不安定化するため、自制を求める声も上がり始めた。

 火付け役となったのは、19日の下村博文政調会長の発言。党の新型コロナ関連会合で唐突に、高齢者のワクチン接種完了が「今年いっぱいか、場合によっては来年までかかるのではないか」と述べ、さらに「全ての国民が接種するのに、来年春ぐらいまでかかるかもしれない」と続けた。

 あわてた政府は「年末まで時間がかかるという自治体からの報告は聞いていない」(河野太郎行政改革担当相)と打ち消しに走ったものの、党内からは「(下村氏は)国民の思いを代弁したまで。地元有権者の目は政府が思う以上に厳しい」(若手)との声も聞かれた。当の下村氏は、21日の記者会見で「最悪のシナリオも想定し、それを回避するために、各省庁は危機感を持って自治体をサポートしてほしいという意味で話した」とその意図を解説してみせた。

 菅義偉首相の後見役である二階俊博幹事長も20日、ワクチンで踏み込んだ。面会した小池百合子東京都知事に対し、「今、(感染の)火が燃え盛っているところを重点的に抑えられるよう、ワクチンの確保についてもっと声を上げていい」とアドバイスを送ったのだ。政府は、感染拡大地域にワクチンを優先配分するやり方を否定しており、二階氏の発言はこれに異を唱える形となった。

 コロナ「第4波」に直面し、対策の切り札となり得るワクチンへの期待が高まるほど、接種事業の遅れにいらだちを隠せない与党。衆院選を控え浮足立って見える党内に、衆院ベテランは「政府と内輪もめしている場合ではない」とくぎを刺す。

 (東京支社取材班)

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