「ミャンマーに送り返されれば死刑に」入管法改正案、市民が反対集会

 国会で審議が始まった入管難民法改正案に、国内外の批判が強まっている。国外退去処分を受けた外国人の長期収容問題を受けた動きだが、改正案には難民認定申請が3度目になれば強制送還が可能になる規定も盛り込まれた。22日にはNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」などが国会内で集会を開き、難民認定申請中のミャンマー人女性が「国軍のクーデターが起き、帰ったら命が危ない」と涙ながらに訴えた。

 改正のきっかけは2019年、長期収容に抗議するハンガーストライキ中のナイジェリア人男性が大村入国管理センター(長崎県大村市)で餓死した問題だ。これを受け、政府は改正案を国会に提出。主な内容は(1)現行で収容を解く仕組みは「仮放免」のみだが、一時的に社会で生活できる「監理措置」を新設(2)難民申請に伴う送還停止は申請2回までに制限(3)国外退去命令に従わない場合の罰則-などだ。

 だが関係者からは批判が相次ぐ。監理措置は入管の審査官が判断するため、専門家は「入管の裁量だけで決められ、無制限収容が続く」と指摘する。現行制度では、難民申請中は強制送還が停止されるが、改正案では同じ理由で3回以上申請した場合は送還可能となる。母国に送還されれば迫害を受ける恐れもある。この日の集会では、廃案を求める約10万7千筆の署名が法務省に提出された。

 集会で発言したミャンマー人女性は、少数民族カチン族出身。10年ほど前に来日し、何度も難民申請したが、認められていない。少数民族への弾圧を逃れるため、幼い頃から家を転々としてきた女性は「いま送り返されれば私は逮捕、死刑にされる。難民として認めてほしい」と訴えた。

 日本の難民認定率は1%に届かず、「難民鎖国」ともいわれる。改正案を巡っては、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も「難民条約で送還が禁止される国への送還の可能性を高め、望ましくない」と懸念を示している。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本の樋口利紀氏は「中国新疆ウイグル自治区、香港といった人権外交がクローズアップされているが、日本はまず自国が抱える外国人の人権問題を解決するのが先だ」と話す。 (古川幸太郎)

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