また飲食店だけ「いつまで続くのか」、福岡市の時短要請開始

 新型コロナウイルスの感染拡大が著しい福岡市内の飲食店の営業時間を午後9時までとする時間短縮要請が22日、始まった。「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」を待たず、「早め早めに対策を打つ」(服部誠太郎・福岡県知事)ものだが、感染拡大が止まらない状況で市民や飲食店にどれほど響くのか-。

 22日午後9時、福岡市博多区中洲の「割烹(かっぽう)川田」は営業を終え、のれんを下ろした。時短は1カ月ぶり。従業員の山下拓見さん(33)は「覚悟はしていたが、いつまで続くのか」とうんざりした表情だった。

 国の対処方針に沿った対応で、市中感染対策の“急所”とみる県は「まずは飲食店を抑えること」が肝要と考える。

 だが時短が続く大阪や東京で感染者は増え、福岡では学校や高齢者施設でもクラスター(感染者集団)が発生。「他にも感染リスクは潜んでいる」と考える飲食店関係者は、行政がリスクの追跡を怠り、感染拡大の責任を押し付けていると感じている。募る不満が「人災」という厳しい言葉になって行政に向けられる。

 西日本新聞は緊急事態宣言解除前の2月末、無料通信アプリLINEでつながる県内の「あな特通信員」に、解除後に飲食の機会が増えると思うかどうか質問した。「変わらない」が8割弱。今回あらためて聞いてみると時短効果には懐疑的で、他のリスクも考慮すべきだとの声が目立つ。福岡市の嘱託社員の男性(68)は「感染拡大の原因を究明しないまま、時短を求めるのは無責任。店だけを抑えても、感染は抑え切れない」と憤る。

 時短の効果が表れるまで約2週間。県対策本部は「まずは結果を見てからだ。状況が変われば対策を打つ必要がある」との構えだったが、県内の新規感染者は2日連続200人を突破。福岡市に限定していた対象に同県久留米市を追加した。

 福岡市に隣接する同県新宮町で飲食店を営む50代男性は、生活や通勤圏を考慮しない県の対応に疑問を呈する。「(対象地域周辺の)遅くまで飲食店が開いているエリアに感染リスクが広がるだけではないか。対策が後手後手に回っている」 (金沢皓介、田中早紀)

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