幻となった東国原氏出馬

 話は約1カ月前にさかのぼる。元宮崎県知事の東国原英夫氏が福岡県知事選への出馬を断念したのは、告示の8日前だった。「日本を、九州を、福岡からどげんかせんといかん!」。決めぜりふを書き入れたポスターは、業者の手元で印刷を待つだけだった。

 公約をまとめ上げ、付き人に「福岡についてきてくれるか」と伝えた。県庁で出馬会見したその足で同県朝倉市に向かい、持ち前の発信力を売り込む段取りまで整えていた。ただ、師匠に報告すると「おまえ、番組収録に来たんだろう」と遠回しに慰留された。「なぜ福岡なのか」。この問いへの説得力ある回答に悩み、最後の最後で逡巡(しゅんじゅん)した。

 コロナ禍で渦巻く不満は現体制に向かいやすく、強いリーダーを求める風潮も高まる。複数の永田町関係者は「出たら勝てる」と口をそろえていた。与野党相乗りで圧勝した服部誠太郎知事。告示直前まで薄氷の上を歩いていたのかもしれない。 

(黒石規之)

関連記事

PR

開催中

Hyle POP-UP

  • 2021年6月3日(木) 〜 2021年6月22日(火)
  • HIGHTIDE STORE FUKUOKA

デスク日記 アクセスランキング

PR