「屋外なら安心」マスクせず談笑…「路上飲み」誤解がリスク

 日に日に広がりを見せる新型コロナウイルス流行の「第4波」の影響で、飲食店が営業時間を短縮したり休業したりする中、公園などの屋外で飲酒する「路上飲み」が全国的な問題になっている。自治体も張り紙を掲示するなどして自粛を要請するが、あくまで呼び掛け。九州でも、福岡市中心部の公園などで飲酒する若者の姿が見られる。専門家は「風の吹き方によっては、屋内よりもリスクが高い」と警鐘を鳴らす。

 「公園での集団の飲酒はやめてください。家族や友人の命を守るためにもお願いします」-。30日夜、福岡市・天神の警固公園などで福岡県と市が合同の対策パトロールを実施。「公園飲みはやめて」「早めに帰りましょう」といったメッセージボードを掲げた職員ら約30人が、飲酒しながら談笑するグループに啓発チラシを配って回った。

 居酒屋が午後9時で閉店し、コンビニで酒を買い込んで飲み直していた20代の女性4人組の一人は「大学時代の友人と久々の再会。飲みたい気持ちも分かってほしい」。別の一人は「身近なところで感染者は出ていないし、危機感はそんなにない」と話した。パトロール中やその後も、飲み続ける若者が目立った。

 警固公園では大型連休初日の4月29日夜にも、缶ビールや缶酎ハイを手に談笑する若者グループが集まっていた。ほぼ全員がマスクをせず、密集して会話。笑い声も響く。周辺には、空き缶やたばこの吸い殻などのごみも散乱していた。

 「(行政による飲食店への)営業時間短縮要請や緊急事態宣言は、茶番だと思う」。交際相手の女性と酒を飲んでいた男子大学生(21)は主張した。飲食店が閉まっていたため公園に来たといい、「路上飲みをさせたくないなら、海外のように罰則付きのロックダウン(都市封鎖)をしてほしい」。相手の女性は「この季節は外で飲むのが気持ちいいので」と話した。

 「屋外なら安心」と思っている人もいるが、マスクをせずに会話をすれば屋外でも飛沫(ひまつ)が届くことがスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションで示された。屋外でテーブルを囲んで飲食をし、大声で話している場面を想定。無風状態では、吐き出した飛沫の約1割が1メートル先にいる正面の人に届き、その両隣にもかかった。微風が吹くと、より広範囲の人が飛沫を浴びた。

 結果をまとめた神戸大教授で理化学研究所の坪倉誠チームリーダーは「屋外でも近距離で話せば飛沫は直接飛ぶので、換気の効果は期待できない。風下にいればさらにリスクは高くなる」と指摘。「会話をする場合は屋外でもできるだけ距離を取り、マスクの着用を徹底することが大切だ」とする。(泉修平、田中早紀、斉藤幸奈)

関連記事

福岡県の天気予報

PR

PR