福岡知事、経済配慮のツケ重く 独自策限界…苦渋のまん延防止要請

 福岡県の服部誠太郎知事は1日、「まん延防止等重点措置」の要請に踏み切った。県は、同措置より営業時間が長い時短要請など独自の対策を4月19日に打ち出したが、同28日に新規感染者が過去最多の440人に急増。経済への打撃などに配慮してこの対策で乗り切ろうとしたが、感染拡大に歯止めがかからず病床使用率も急速に悪化し、対策強化を余儀なくされた。猛威を振るう変異株に対して「認識が甘く後手だ」(専門家)との声も上がる。

 「残念ながら効果が十分に表れているとは言い難い」。服部知事は1日の記者会見で苦渋の表情を浮かべ、まん延防止措置を要請した理由を説明した。

 県は、感染の急拡大を受けて4月22日から福岡市、同25日から久留米市で飲食店への時短要請を開始。県の調査では、両市で97%以上が時短に協力しているが、ここ数日も300人台の新規感染が続いている。

 高止まりの要因は、感染者の8割に増えた変異株だ。感染力が強く、「第4波」では1日の感染者数が100人を超えてからわずか2週間で400人に到達。感染スピードは「第3波」の2倍になっている。

 過去最多の感染者を記録した同28日、西村康稔経済再生担当相は、服部知事に午後9時までの時短要請を同8時までに早めるよう求めたが、財政支援が手厚くなるまん延防止措置の追加適用を避けようとする政府の思惑も透け、「今の対策の効果を見極めたい」とかわした。

 だが、感染が急増した久留米市などで急速に医療提供体制が逼迫(ひっぱく)。県医師会の松田峻一良会長が「時短要請の効果を見極めてからでは大阪と同じようになる」と言及するなど、医療関係者を中心により強い措置を求める声が強まり、まん延防止措置に踏み切らざるを得なくなった。

 まん延防止措置で、感染拡大の勢いを抑えられるかどうかは不透明だ。大阪や東京などでは飲食店対策を中心とした同措置の効果は薄く、緊急事態宣言に追い込まれている。

 この日の記者会見で宣言の必要性を問われた服部知事は「感染状況は各地域で差がある。まずは地域を特定したまん延防止措置を打つことが適切だ」と主張した一方で、こう付け加えた。「飲食店の時短だけでは感染は防げない。自粛すべきは自粛するなど私たち自身の行動を自ら変える必要がある」 (黒石規之)

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