『東京タワー オカンと~』母を迎えるボク 炭坑節で寄り添うように

フクオカ☆シネマペディア(36)

 小倉生まれで筑豊に育ったリリー・フランキーの自伝的小説を映画化した「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(2007年、松岡錠司監督)。その主題は母と子の絆だ。事実上のシングルマザーであるオカン(樹木希林)に対する、主人公ボクの愛があふれている。

 オカンは酒癖の悪いオトン(小林薫)から逃れ、小倉から筑豊の小さな炭鉱町にある実家に、幼いボクを連れて戻ってくる。まだヤマが現役の頃、炭鉱会社の施設や住宅、古びた商店が並び、高い煙突が煙を上げる。オカンの母親はリヤカーで魚の行商をする。どこか人の温かさが宿る、リリー・フランキーの原風景だろう。

 オカンは子育てのために懸命に働く。中学生になると、ボクに二つの思いが芽生える。「こことは違うどこかに行きたい」という冒険心と、「オカンを自由にしてあげなければ」という親孝行の気持ち。大分県の美術系高校を卒業後、東京の大学に入る。

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