児童虐待防止へ「福岡ルール」 健診未受診家庭への対応を明文化

 福岡県は6日、2018年12月に田川市で発生した1歳児虐待死事件を受け、市町村と児童相談所が乳幼児健診を受けていない子どもの安全を確認するための「福岡ルール」を定めたと発表した。家庭訪問の開始から、子どもの保護などに至るまでの手順やそれぞれの役割を明文化。全国的に先進的な取り組みという。

 母子保健法は、1歳6カ月児と3歳児に乳幼児健診を実施するよう市町村に義務付けている。ほとんどの市町村がこれ以外にも4カ月、10カ月などに健診を行っており、発育チェックだけでなく、虐待の早期発見や子育て支援の役割も担っている。

 未受診の場合、市町村は電話や家庭訪問で受診を促すが、保護者との関係性を重視して強く踏み込めないケースも多い。1歳児が父親からエアガンで撃たれ、栄養を十分に与えられず死亡した田川の事件では、乳幼児健診の未受診が常態化。市は発育状況を確認せず、児相の危機意識も薄かった。

 福岡ルールでは、乳幼児健診の未受診の判明から約1カ月間に市町村の保健師が家庭訪問し、子どもの身長や体重を確認する。2回訪問しても保護者が応じない場合は、児相から訪問方法について助言を受けた上で、3回目の家庭訪問を実施。それでも子どもの安全が確認できない場合は、児相に「虐待の恐れがある」と通告する。その後は児相が主体となって立ち入り調査や家庭訪問、出頭要求などを行い、必要があれば子どもを保護する。

 県は7日にも市町村や児相にルールを周知。研修会も毎年行って徹底させる。県児童家庭課の福田邦裕課長は「市町村と児相の責任の所在があいまいだった。ルールにのっとって虐待が見逃されない体制を築き、田川のような事件が起きないようにする」と話した。 (御厨尚陽)

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