福岡県の時短要請、全県に拡大 「なぜ一律なのか」飲食店悲痛

 飲食店への営業時間短縮要請が福岡県内全域に拡大した6日、飲食店側からは悲痛な声が漏れた。一部では要請に応じず、営業を継続する店も。県に緊急事態宣言が出される見通しになったことで、戸惑いはさらに広がりそうだ。

 午後9時までの時短要請の対象となった北九州市。「北九州は感染者数が少ないのに、なぜ一律に時短なのか」。同市小倉北区のバー経営、山下真亮さん(35)は不満をぶつけた。要請には応じるが、「国や県、市の言う通りに対策し、客も感染防止の意識は高い」と納得いかない様子だ。

 福岡市では時短要請が午後8時までに繰り上げられ、酒類提供は同7時までに。中洲にあるキャバクラ店の30代男性幹部は「『休め』と言われているのと同じ。うちは午前1時までの通常営業を続ける」。コロナ禍前と比べ、売り上げも女性従業員も半減。要請に応じれば事実上の休業で、営業を続けるライバル店に従業員が移る可能性が高い。「厳罰や強制力あるルールがないと、他店も含め自粛とはならない」と語る。

 福岡県が緊急事態宣言の対象になれば、さらに厳しい要請が出る可能性もある。県内を中心に居酒屋などを40店舗以上展開する「タケノ」の竹野孔社長は「酒類提供が全面禁止になれば、店を閉めろと言うのと同然だ。同業者の廃業も増えている」と落胆。宣言には一定の理解を示すが、「酒を出す店ばかり追い込まれている気がする。やるなら(経済活動の)全てを止めるぐらいしないと駄目なんじゃないか」と指摘した。

 「越境感染」を警戒する熊本県も同日から、福岡県境に近い2市4町の飲食店に対し、午後9時までの時短を要請した。福岡県大牟田市と隣接する熊本県荒尾市の飲食店経営の男性(50)は「1年前から同じことの繰り返し。行政は他にすべきことがあるのではないか」といら立ちを募らせた。

 時短の依頼にとどまる大型商業施設では対応が分かれる。百貨店や商業施設に入る飲食店は軒並み時短に応じるが、協力金がない物販店はまちまちだ。キャナルシティ博多(福岡市)は時短に応じる店と応じない店が混在。イオン九州(同)では6日現在、時短に応じる意向のテナントは多くないという。ソラリアプラザ(同)はほとんどが時短営業する。 (岩谷瞬、井崎圭、宮上良二、布谷真基)

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