アニメーターが描いた北九州の魅力 温かさ伝わる移住PRポスター

 「ずっと住むなら」-。優しい色使いで描かれた人情味あふれる「角打ち」の一場面に添えられたキャッチコピー。目を引くのは温かい笑顔で酒を酌み交わす人々だ。北九州市が移住をPRするポスターで、作成したのは東京在住のアニメーター刈谷仁美さん。NHK連続テレビ小説「なつぞら」オープニングアニメの原画などを担当した。市の移住担当者は「高知県出身で北九州に縁がない彼女が感じた、北九州の魅力が伝われば」と期待を込める。

 市が刈谷さんにポスターの作成を依頼したのは2019年秋。それまで市の移住PRポスターは観光地などを撮影した写真だったが、当時放送されていた「なつぞら」のオープニングアニメの監督、原画、キャラクターデザインなどを担当する刈谷さんのイラストに「全世代が温かい気持ちになれる」と市企画調整局の中野雅大さん(27)がほれ込んだ。

 20年1月に刈谷さんが北九州を訪れ、3日間市内を観光。「角打ち」を含むポスター3枚が同年6月に公開された。イラストは市内の観光案内所や北九州モノレールの駅のほか、東京の渋谷駅構内にも掲示。会員制交流サイト(SNS)にアップされたイラストの投稿には1万件近い「いいね!」が押されるなど大きな反響を呼んだ。中野さんは「北九州の人たちの魅力と言えば温かい人柄。まさにそれが伝わるすてきなイラストを描いていただいた」と喜ぶ。

 その後、市は刈谷さんに、もっと北九州を知ってもらおうと、2泊3日から利用できる市の移住推進策「お試し居住ライト」を提案。昨秋、刈谷さんは北九州を再訪し、門司港のゲストハウスに泊まったり、北九州の台所といわれる「旦過市場」を散策したりと7日間の体験を基にした漫画を描いた。

 漫画には、皿倉山(八幡東区)や平尾台(小倉南区)といった観光地や、居酒屋での店主や客とのやりとりが描かれており、最後には「街あり山あり海ありご飯が安くて美味(うま)い」「何より、出会った人皆さんあったかかった…」と感想がつづられている。地方への移住についても「都会からの移住は、地方都市が丁度(ちょうど)良いのではと、北九州市を見て感じました」。漫画は市のホームページ(HP)に公開されているほか、漫画に登場する飲食店などで読むことができる。

 市企画調整局によると、ポスター効果もあってか、昨年8月から始めたお試し居住ライトは10組の申し込みがあり、うち5組(4月1日時点)が実際に移住を決めた。

 市では3月、JR小倉駅(小倉北区)など新たに3枚のポスターを刈谷さんに作成してもらい、HPで公開。東京や大阪から実際に移住してきた20代の男女の声を冊子にもまとめ、若い世代の移住促進にも力を入れる。中野さんは「コロナ下で地方に移住する人が増えている。自然もあり、都会の便利さもある北九州をどんどんPRしていきたい」と力を込める。 (野間あり葉)

福岡県の天気予報

PR

開催中

200CUTTING BOARDS

  • 2021年5月28日(金) 〜 2021年6月14日(月)
  • MAGAZYN(マガズィン)
開催中

The Edge展

  • 2021年6月9日(水) 〜 2021年6月14日(月)
  • 福岡三越9階三越ギャラリー

福岡 アクセスランキング

PR