話を聞く 逆卷しとね

 人を救うことは難しい。困っている人に食事を与えたり、住居を紹介したり、仕事を斡旋(あっせん)したりすることはよいことだとされている。だがそれは救いの手になるだろうか。その人を物心両面から救っているつもりだとしても、その人自身が救われるかどうかはわからない。支えている側と支えられている側という関係の押しつけにその人は息苦しさを覚えているかもしれない。支援がその人の境遇を悪くしてしまうこともあるだろう。支えることも、支え続けることも、そして救うことも、その成否は揺れ動き続ける具体的な関係次第なのだから、予(あらかじ)めゴールを決めることもできないし、結果の善悪を判断するのも難しい。マニュアルは存在しない。...

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