ジュワッ! チキンレース過熱 唐揚げに参入続々、台湾風や韓流も

 新型コロナウイルス禍によるテークアウト需要の高まりを背景に、鶏の唐揚げ販売が急拡大している。比較的調理しやすいとの理由でコロナ前から展開を始めたチェーン店に加え、新規参入も相次ぐ。居酒屋の持ち帰りでも人気を誇る。巣ごもり消費が長期化する中、「台湾風」「韓流」など国際色豊かな味付けも登場し、都市部では競争が過熱しつつある。

 福岡都市圏を中心に佐賀と熊本の3県に44店舗を擁する「博多とよ唐亭」は持ち帰り専門の鶏唐揚げ店を展開。運営する喰(くい)道楽(福岡県粕屋町)は時流に合わせてクレープ、ミートパイ、焼き鳥…と業態を変え、2012年から唐揚げに転換した。豊永憲司社長は「幅広い世代に好まれ、昼夜問わず高い利用頻度が見込める」と理由を語る。

 加えて「串打ち3年、焼き一生」の言葉に象徴されるように、焼き鳥など炭火を使う串焼きには熟練の技が必要。その点、唐揚げはセントラルキッチン(集中調理施設)で味付けしておけば、配送を受けた各店舗で粉を付けて揚げるだけでアツアツのパリパリを提供できる。人材育成にかかる期間は「焼き鳥の6分の1ほど」(豊永社長)。店舗は調理場程度の面積で十分といい、コロナ禍などの需要に応じて短期間に出店を加速できる即応性もある。

 個性的な味付けも登場している。タピオカドリンク専門店の辰杏珠(シンアンジュ)福岡大名店(福岡市)は3月下旬に台湾唐揚げ「炎旨大鶏排(エンシダージーパイ)」(630円)の販売を始めた。衣にタピオカの原料となるキャッサバ粉を使うことで、カリカリとした食感を実現。薄く延ばした鶏肉を丸ごと揚げており、サイズは顔の大きさほどにもなる。オープンした昨年4月は新型コロナの緊急事態宣言が重なり、ここ1年の売り上げは見込みを大きく下回ったが、店舗運営の責任者は「大きな唐揚げが写真映えするので、若い客層を中心に売り上げも伸びてきた。起爆剤になってほしい」と期待する。

 このほか、フライドチキンに韓国風甘辛だれを絡めた「ヤンニョムチキン」を看板メニューとする「ネネチキン」が4月、九州では初めて福岡市の複合商業施設キャナルシティ博多にテークアウト専門で出店。コロナ禍で海外旅行が制約される中、海外風の流行グルメを味わえるとあって人気は上々だ。

 冷凍食品のニチレイフーズ(東京)と日本唐揚協会(同)の推計によると、2020年度の唐揚げの全国消費量は417億個で前年度の1・6倍に市場が拡大したという。今後も持ち帰り専門の「中食(なかしょく)」人気は続くとみられるが、新規参入や店舗網がさらに拡大していけば、需要を食い合うことにもなりかねない。 (布谷真基、山本諒)

関連記事

福岡県の天気予報

PR

開催中

200CUTTING BOARDS

  • 2021年5月28日(金) 〜 2021年6月14日(月)
  • MAGAZYN(マガズィン)
開催中

The Edge展

  • 2021年6月9日(水) 〜 2021年6月14日(月)
  • 福岡三越9階三越ギャラリー

福岡 アクセスランキング

PR