ワクチンはプレミアム 宮田英紀

 随分昔、人気のコンサートチケットを手に入れるのに必死だったことを思い出した。85歳の母が同じやり方をしていることに、つい噴き出したが、やがて笑えなくなった。

 北九州市で暮らす母に新型コロナウイルスのワクチン接種券が届いた。予約受け付けの当日、母は専用電話番号の最後の1桁以外を押しておき、開始時刻に合わせて最後の番号を押した。

 インターネットなどなく、コンサートチケット購入は電話で早い者勝ちだった数十年前、私もそうしたものだが、一度も電話がつながったためしはない。話し中が延々続いて、ようやく通じると既に売り切れ。母の場合、一日中電話をかけ続けても全くつながらなかった。

 その夜、経緯を知らされ、ネットで市の予約サイトをのぞいてみると、もう予約でいっぱい。翌日の昼時に尋ねたときも相変わらず電話はつながらないという。ダメ元で予約サイトに接続したところ、...

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