五輪是非、国会の最大論点 野党、「反対」にはリスク、温度差

 10日の衆参両院の予算委員会集中審議は、東京五輪・パラリンピックの是非が最大論点に-。新型コロナウイルス「第4波」が収束の兆しを見せない中、「安全安心な大会の実現に全力を尽くす」と繰り返す菅義偉首相に対し、野党側は開催を不安視する意見を次々とぶつけた。ただ、五輪を巡る世論は移ろいやすく複雑で、現時点で旗印を鮮明にすることに政治的なリスクを感じ取る向きもあってか、政党間に温度差も見られた。 (川口安子)

 約2カ月ぶりに衆院で首相と対峙(たいじ)した立憲民主党の枝野幸男代表は、変異株対策や医療提供体制など東京大会の準備状況を問いただし、「残り時間を考えると判断の先送りはできない」と迫った。

 ただ、立民として今夏開催をどう考えるかに関しては切れ味が鈍った。「国民の命、暮らしを守ることと、開催を両立させることは不可能と言ってもいいんじゃないか」。質疑終了後、改めて見解を問うた記者団に向かっても、枝野氏は「国家主権を適正に行使しろと、政府に求めるのがわれわれの仕事だ」と明言を避けた。

 先立つ7日、立民の泉健太政調会長は衆院議院運営委員会で「この夏の五輪は延期か中止を」と主張していた。周辺によると、枝野氏は当初、「泉氏よりさらに踏み込んだ発言でスタンスを示す戦術」を立て、この週末も世論の動向を分析していたという。だが、10日朝、質疑直前の党内の最終調整で「現時点で『党として五輪反対』と受け止められると、実際に開催された場合に失うものが大きい」との慎重意見が出て、トーンを弱めた質問に落ち着いた。

 五輪・パラリンピックにどう向き合うか、立民幹部は悩ましい胸の内をこう明かす。「政府に本気で今夏開催を覆させるとすれば、6月上旬までが限界なんだろうが…」

 他の野党は、この日、質問に立った国民民主党の玉木雄一郎代表が「無理して開催すれば、ものすごく資金不足の五輪になるんじゃないか」と首相を追及。記者団には、個人の考えとして「今秋も含めた大会延期を検討すべきだ」と話した。また、共産党の志位和夫委員長は、今年1月段階から五輪中止を求め続けている。社民党福島瑞穂党首も5月9日、「今夏の開催中止」を求める声明を発表した。

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