予約開始前に殺到、やむなく受け付け…ワクチン巡り、各地で混乱

 新型コロナウイルス感染が急拡大する中、ワクチン接種予約の受け付けが九州でも本格化している。予約の申し込みが殺到し、電話などがつながりにくくなる混乱が発生。福岡市では12日の予約開始前から接種を求める人が相次ぎ、予約を受け付けてしまう医院も。“前倒し”予約の是正を求める声も上がっている。

 かかりつけ医やコールセンターなどで個別・集団接種の予約受け付けを12日に始める福岡市は高齢者が約36万人と九州で最多。コールセンターには100回線を用意したが、混雑は避けられそうにない。市民が区役所に押しかけることも想定し、玄関には来庁での受け付けができないことを示す張り紙も用意する。

 だが、実は、ある福岡市の医院ではすでに100人以上の個別接種の予約を受け付け、3週間先の予定まで埋まっているという。

 「連休前から予約の電話がひっきりなしにかかり、通常の診療に支障をきたしている」と医院長。予約の電話が鳴らない日がなく、問診票を持って医院を訪れた人も。仕方なく予約受け付けを始めたという。

 医院長は「接種券に予約開始日の案内がなく、患者が知らずに電話をかけてきている。市による集団接種の案内が不十分で、個別接種に予約が殺到している」。市担当者は「予約開始は原則12日だが、かかりつけ医と患者との関係があるので縛ることは難しい」と説明する。

 “前倒し”予約が相次いでいることに、市内の高齢男性は「医院での接種予約が早い者勝ちになっている」と憤る。共産党市議団は11日、「公平性に著しい問題が起きている」として高齢者に接種情報を十分に提供するよう市に求めた。

 予約受け付けを始めた自治体でも混乱が続く。11日に開始した鹿児島市ではコールセンターは70回線で対応したが、わずか1時間で7500件以上の電話が鳴った。長崎県佐世保市でも10日午前9時の開始とともに電話が相次ぎ、インターネットもアクセスが集中。市役所の代表電話もつながりにくくなったという。 (塩入雄一郎)

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