沖へ連なる電柱 #この一枚【動画】

 潮騒の霊妙な旋律に合わせるかのように、夕空はその表情を朱色から薄紫色に刻々と変え、電球をともして沖に連なる電柱の列は、豊穣(ほうじょう)の海を照らしていた。熊本県宇土市の「長部田海床路(ながべたかいしょうろ)」。2016年の熊本地震では、電柱が破損するなどの被害に見舞われたものの、修復された現在は、写真愛好家たちの足も戻りつつあると聞く。奇観を写真に収めよう! と現地へ向かった。 (帖地洸平)

 長部田海床路は、島原湾の干満差が激しく、遠浅であることから、養殖したノリの回収や貝を採る漁業者のために造られた。

 同市の住吉漁協によると、干潮前後に現れる全長約1キロの舗装道には23本の電柱が並ぶという。潮が満ちると道がほとんど消え、海面に電柱が林立しているだけの不思議な光景が現れることから、宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」の一場面のよう、と各地から人が訪れている。

 神戸市の長橋賢明さん(20)は「潮の満ち干(ひ)や空模様で姿が変わる。いつまで見ていても飽きませんね」と熱心にシャッターを切っていた。通勤時に必ず眺めるという地元の福島智央里さん(27)は「疲れた日や、癒やされたいと思ったとき、この景色を見て力をもらいます。地元の宝として大切にしたい場所です」と笑顔を見せた。

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 長部田海床路 JR三角線住吉駅から徒歩約25分。住吉海岸公園近くにある。同園には無料駐車場と休憩所を完備。長部田海床路への車の乗り入れは原則禁止。干潮時は歩いて楽しむことができる。

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