HTB、アクロス設計…池田武邦さんの別荘保存へCF

 日本の高層建築をリードし、長崎県佐世保市の大型リゾート施設ハウステンボスの設計も手掛けた建築家、池田武邦さん(97)が建てた別荘「邦久庵(ほうきゅうあん)」(同県西海市)を修繕・保存しようと、池田さんの弟子らがインターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を行っている。建物は老朽化が進み、昨年秋の台風でかやぶき屋根も破損。弟子らは「くぎを使わないなど日本の伝統工法が詰まった邦久庵を残そう」と協力を呼び掛けている。

 池田さんは1960~70年代に霞が関ビルや新宿三井ビルなどの設計を手掛け、超高層ビル設計の第一人者と称された。だが、50歳前後で無機的な超高層ビルに疑問を抱くようになり、気候や周辺環境との調和に配慮した建物へと転換。その例がアクロス福岡(福岡市)やハウステンボスだ。

 邦久庵は木造2階建てで、大村湾に臨む岬に2001年に建築された。ほぼ九州の木材だけを用い、伝統工法にこだわった。池田さんは90歳ごろまで邦久庵に住んだ後、東京の自宅に戻った。その後は、池田さんの設計事務所で働いた建築士や市民ボランティアらが保存活動に取り組んできた。

 池田さんの弟子らは17年、社団法人「邦久庵倶楽部(くらぶ)」(代表理事=永野真義・東大助教)を設立。英国でホテルを経営するジョナサン・デンビーさんに建物を譲渡する形でオーナーになってもらい、建物の一般公開や定期的な大掃除のほか、二十四節気に合わせた文化風習を体験するワークショップなどを定期的に開いてきた。

 だが、新型コロナウイルスの感染拡大により、デンビーさんの事業や生活が厳しくなり、かやぶき屋根の補修が難しい状況に。さらに昨年秋の台風でかやぶきがダメージを受けた。

 修繕費は約280万円を見込む。倶楽部ではCFサイト「READYFOR(レディーフォー)」で200万円を目標に支援を募っている。永野さんは「邦久庵は自然の一部と暮らすことを最も体現した建物。伝統技術を継承する教材にもなる」と話す。CFの締め切りは21日午後11時。邦久庵倶楽部=hokyuann@gmail.com (塩入雄一郎)

長崎県の天気予報

PR

開催中

7人の作家スタンプ展

  • 2021年5月11日(火) 〜 2021年6月15日(火)
  • ジュンク堂書店福岡店1階昇りエスカレーター前

長崎 アクセスランキング

PR