【Fの推し増し】「第3章」もすてきな10年に、HKT森保インタビュー全文

 5月29日に北九州市のソレイユホールで開催されるコンサートで、HKT48での10年間のアイドル人生に幕を引く1期生・森保まどか(23)。青春時代をささげた「人生の第2章」、その締めくくりに何を思うのか。4月30日に臨んだ「最後のインタビュー」を全文掲載する。 (聞き手は古川泰裕) 

   ◎    ◎

 -卒業コンサートまであと1カ月。今の心境は?

 「卒業発表から(コンサートまで)3カ月弱あったはずだけど、この2カ月はあっという間だったなっていう感じで。いろんな卒業生の子とお話ししていると『発表してから、あっという間に過ぎるよ』って言われていたんですよ」

 -例えば誰?

 「(2期生・伊藤)来笑とか(1期生・安陪)恭加とか。そういう風に聞いていたけど、割と実感できているというか。私の場合は卒業を発表してから14枚目シングルの撮影とかレコーディングがあったりしたので、いろんなお世話になった人たちに、お別れのあいさつができているから、ちゃんと。今のところ、言い残している人がいないんですよね。だからうれしいです」

 -あいさつをしながら、自分の歩いてきた10年間を振り返る機会にもなったのでは。

 「本当にその通りです。レコーディングでずっとお世話になっていた方は、中学2年生のころから一緒で。当時、中学2年生に見えなかったから『チュウニ』って言われているんです。あだ名がそうなんですよ(笑)」

 -変わったあだ名だね(笑)

 「それからずっと、高校生になっても大学生の年齢になっても『チュウニ』って呼ばれたままで」

 -どういう表記なんだろうね(笑)

 「正式表記はたぶん『中2』だけど(笑)。その方ともお別れして、最後に一緒に写真を撮って。長い間、お世話になったなあと」

2012年、チームHの結成会見

 -あと1カ月後には自分が卒業している。5月30日から人が変わるというわけではないけど…。

 「マネジャーさんから『明日の予定です』(というメール)が送られてこなくなるから、それが不思議な気持ちで。卒業生の子にも、(卒業後)最初、スケジュールを立てるのが下手くそになるって言われて。この間、若ちゃん(若田部遥)に会ったんですよ。で、そういう風に聞いて。ずっとマネジャーさんがスケジュールを送ってきて、その中で自分の予定を入れていたから。友達と遊ぶ予定とかを立てるのが、最初は下手だったって言われて。あ、そうなんだと思って。参考になります(笑)」

 -今はどう?

 「いや、たぶん…卒業したら、びっくりするくらい下手くそかも(笑)」

 -僕はまとまった休みがあるときは温泉に行く。

 「見ていますよツイッター(笑)。大分ですっけ?」

 -熊本です(笑)

 「熊本か(笑)」

 -そういう時はどうやって計画を立てる?

 「本当に“弾丸”で行くか、しかないですね。やっと最近『フッ軽』というかアウトドアになって。“弾丸”とかできるようになったけど、今までは急に休みになっても、家で過ごすことが多かったです」

 -初めてお会いしたときから大人びた印象が強く、個人的にどう呼べばいいか分からなかった。

 「何でもうれしいですよ(笑)。じゃあ最後は『まどちゃん』で。あと1カ月だけど(笑)」

支えられ「もう一息」

 -オーディションにはお父さんが応募したというけど、どういう気持ちだった?

 「デビュー前は長崎に住んでいて、『福岡に遊びに行ける!』みたいな感覚だったんですよ。その時は大都会に見えていて。遊びに行く感覚で、そっちが主で。オーディションはついでみたいな感じで(笑)。でも、いざ受かって、せっかくだから一生懸命やってみようと思って。でもやっぱり最初はけっこうきつくて。デビューして2年半ぐらいたった時、『あ、もう無理かも』って思ったんですよね。『やめたいな』って」

 -どの辺りだろう…。2013年~14年?

 「ですね。『メロンジュース(2枚目シングル)』ぐらい?」

 -九州ツアーが始まるあたりかな。

 「部活もやってなくて、ずっとインドアで。体力もなく、そんなに人とも触れ合わず、だったから。『しんどいな』って。精神的にも肉体的にもきついなって思ったけど、その時も周りのメンバーにもスタッフにも支えられて、じゃあもう一息続けてみようと思って。それからの『一息』が長かったですね」

2013年11月、キャナルシティ博多に期間限定でオープンしたショップで

 -オーディション合格後に頑張ろうと思った要因の「せっかくだから」とは何だったのか。

 「当時はピアノを一生懸命やっていて、コンクールざんまいだったんですよね。でも上に行けば行くほど、全国大会に出れば出るほど、そこから本当にプロというか音楽の道に行くのは本当に一握りだな、とひしひしと感じていて。いくら全国大会でいい成績を残そうとも、そのトップの中のトップだけじゃないですか。だから、ピアノをなりわいにしていくのは難しいだろうなと思いつつ、進学するかどうしようかなって、迷っていた時だったんですよ」

 -進学というのは、音楽科がある学校か普通科か、みたいなこと?

 「そう、そういう風にどうしようって悩んでいて。高校を受験するんだったら、おのずとピアノを辞めなきゃいけないし」

 -なりわいになる道からは外れる。

 「ピアノの先生も、やっぱり大人になるにつれてピアノを続ける子が減っちゃうことを嘆いていて。そうだよねって。そっちに時間が割けなくなっちゃうから、弾く子が少なくなってくるんだよねって言っていたから。先生にはすごくお世話になっていたから、先生のためにも続けたいなと思いつつも『どうしよう』って思っている時期だった。HKTのオーディションに受かって、(ピアノ)一筋ではないけど、人前で弾く機会があったり、作品を出せたりして。結果的に良かったなって思います」

2013年、松岡菜摘と「てもでもの涙」をデュエット

 -ソロピアノアルバム「私の中の私」は出すまでに時間もかかったが、大きな意味を持つ1枚になった。

 「出会いもなかったと思うから。松任谷(正隆)さんとの」

 -何があるか分からない。

 「何があるか分からないですね。結果論だけど」

 -AKB48の存在くらいは知っていただろうけど、歌もダンスもどういうことか分かっていなかった?

 「分かっていなかった(笑)。そもそも、アイドルとモデルさんの違いも分かっていなくて。ただ、人前に立っている職業っていう風に認識していたから、全てが新鮮でした。まず『曲を覚えることから始めなさい』って言われました」

 -一からやるのは大変だったのでは。

 「基礎練習も大変でしたね。でも、未経験の子の方が多かったから、そこで一緒に頑張っていこうって、救われた気持ちはありました。一番近かったのは、なっちゃん(松岡菜摘)で。なっちゃんも、AKBはそんなに興味がなくて。アイドルとかに。最初に『曲を覚えな』って言われたのは2人だったんですよ(笑)。ダンスの先生から『松岡と森保はAKBの曲を覚えな。いっぱい聞いて』って言われて、『はい』って答えて。TSUTAYAでレンタルして帰った思い出があります(笑)」

 -何をレンタルしたの?

 「その時、一番新しかったやつ。あと、板野(知美)さんのソロのシングルとか」

モチベーションはピアノアルバム

 -気持ち的に浮き沈みもあったと思うが。

 「正直、たくさんありましたね。でもモチベーションになったのはピアノアルバム。先に制作が発表されていたじゃないですか」

 -だいぶ前にね。

 「だいぶ前に(笑)。(HKTの)何周年だろう? 4周年の時とかに発表があっていたから。やっぱりソロのプロジェクトだし、そこで気持ち的に頑張ろうと思えていた部分もあると思います」

 -AKB48選抜総選挙の結果も上下したし、自分自身で省みることもあったと思うけど、その歩みは「濃い」。

 「そうなんですよ。そんなに安定していないんですよ、実は(笑)。序列とかも、イメージ的に割とセンター横とか2列目真ん中とか安定していそうな感じがしますけど、意外と全然3列目とかあったりするんですよ。今、昔の曲とかを(卒業コンサートの)リハーサルでやったりするんです。ポジション表をあらためて見るんですけど、『あ、けっこういろんな時期があるな』って、あらためて思ったりとか」

2019年9月、負傷後初めて本格的に復帰した劇場公演。右は下野由貴

 -先日、同じ1期生の下野由貴さんに『腐ったことがないとは言えない』というニュアンスの話を聞いた。

 「あれ見ました。すごい好きでした、あのインタビュー。めっちゃ赤裸々だなって思って」

 -活動をまとめると、結果として『腐って』はいないけど、気持ち的に苦しいというか、投げやりに近い状態になる時期はあったと思う。どうやって持ち直したのか。

 「そういう時はどうしていたのかな…。意識して乗り越えようと思ったことはなくて。自然と、でもHKTに帰ってきて、メンバーとかファンの人とかスタッフさんと触れ合っていると…何だろうな、そこに照準が合ってくるというか。やる気が戻ってくるみたいな」

 -関わる「人」が理由になる?

 「私、すっごい影響を受けやすいんですよ。実は。何事にも。人から影響を受けやすくて。だから、あんまり良くない人といたら、そうなっちゃうんですよね。でもHKTに関わっている人はみんないい人だから、そこにいたら自然と…いい影響を受けるというか」

 -そういう時の自分は、自分で納得できる自分?

 「うん。でも、しんどい時もありますけどね。変に『キレイ』『上品』みたいにハードルが上がっちゃって。メンバーの中でも。そう言われちゃうと『すごいプレッシャー』って思う時もあるけど、逆にみんなの中でそういう立ち位置って思って、しっかり…うん、奮い立たせる時もあります」

 -顔立ちや口調もそうだが、徐々に柔和になった。

 「卒業が明確になった、っていうのもあると思います」

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