効果?支障?給食前5時限 うきは市「授業確保」、保護者「空腹に」

 福岡県うきは市が、市内全7小学校で取り組む「給食前の5時限授業」に対し、保護者からの不満が西日本新聞「あなたの特命取材班」に寄せられた。給食開始が遅くなるために「子どもが空腹で集中力を欠き、授業に支障がある」というのだ。4時限授業に戻すよう求める署名活動も始まったという。調べてみると、導入には授業時間の確保という狙いがあり、意外な効果も報告されているが-。

 うきは市が2019年度に始めた「5時限授業」は、従来と同じ1こま45分の授業を給食前に5こま行う。登校は5分早めて午前8時15分に。休み時間を短くするなどして、給食の開始は20分遅い午後0時40分からとした。給食後は1こまのみで、下校時間は30分早くなった。低学年の午後の授業は原則ない。

 文部科学省によれば、各校のスケジュールは校長の裁量で決められる。

 うきは市ではまず17年度に千年小が先行導入した。20年度からの新学習指導要領で、小3以上は英語(外国語活動)が週1から週2こまに増えることが見込まれ、その授業時間を確保するためだった。研修など教諭の出張が入りがちな午後を1こまにして、欠課時数を減らすのが大きな目的だったという。

 当時の校長、塩田佳登さんによると、本格導入前の17年2月に1カ月間試行したところ、「早起きして朝ご飯をしっかり食べるようになった」「(下校時間が早まり)帰宅後、習い事の前に宿題をする習慣ができた」などと好評で開始を決めたという。

 導入後は給食の食べ残しが減ったほか、「放課後に児童と触れ合う時間が増えた。教科研究にも時間を多く割けるようになった」と、教諭の働き方改革にも効果があると話す。

 19年度には市内全校へ拡大。市によると、各校の児童、保護者にもおおむね好評という。

 一方、改善要求の署名を市内で呼び掛ける女性(36)は、自宅が学校から遠い場合は昼食まで7時間ほど空く例もあると指摘。「4時限授業に戻すか、あめなどを用意して糖分補給や空腹を解消するといった方策を考えてほしい」と訴える。「あな特」に声を寄せた母親も、朝食をしっかり食べさせているが、それでも午前中に体育がある日は空腹感が強いと、子どもたちが訴えているという。

 実は福岡市でも昨年度、給食前の5時限授業を34校が導入した。ところが本年度はゼロに。空腹を訴える児童が多く、5時限目の授業への集中力を欠くケースが見受けられたのが大きな理由だった。特に、一度の食事で食べる量が少ない低学年に多かったという。

 文科省や九州の各県教育委員会は、昼食前の5時限授業について詳しい導入状況を把握していないが、福岡県朝倉市の一部などが実施している。文科省は「各学校長の裁量に全て任せており、指導する立場ではない」と静観している。

 うきは市の麻生秀喜教育長は「新型コロナウイルスによる休校などの可能性もある。授業数の確保は重要で、給食前の5時限授業は意味がある。糖分補給などの要望があればしっかり対応したい」と強調した。(渋田祐一)

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