『ゼロの焦点』松本清張が描く戦争の傷 計り知れない女たちの悲しみ

フクオカ☆シネマペディア(38)

 戦後を代表する推理小説作家、松本清張(北九州市小倉北区出身)の代表作の一つ。映画「ゼロの焦点」(1961年、野村芳太郎監督)は、米占領統治下、米軍将兵を相手にした売春婦、いわゆる「パンパン」だった2人の女性の人生が絡み合った連続殺人事件の謎を追うミステリーだ。

 新婚1週間の鵜原禎子(久我美子)。金沢市の出張所から東京本社に転勤が決まった広告会社勤務の夫、鵜原憲一(南原宏治)は引き継ぎで金沢に出掛けた後、行方不明になる。禎子は東京から金沢を訪ねて夫の行方を捜し始める。

 夫の会社同僚に会い、親しかったという耐火れんが会社の経営者夫妻を訪ねて、消息を聞く。警察に捜索願を出すが、手掛かりはない。さらに、憲一を案じて金沢入りした兄、宗太郎(西村晃)が旅館の一室で毒殺される。

 刑事や探偵ではなく、夫の女性関係を疑う新婚女性が聞き込みの主役だ。夫が以前、東京・立川署でパンパンを取り締まる風紀係だった来歴を知る。れんが会社の受付係、田沼久子(有馬稲子)が立川の元パンパンと分かってから、謎の闇に視界が広がっていく。そして、久子の内縁の夫が最近、能登半島の断崖絶壁「能登金剛」で飛び降り自殺していたと知るのだ。

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