介護現場に会話ロボ、AIがもたらす未来【かわすじ今日談】

 クララは病弱な少女ジョジーの「人工親友」として、ジョジーにとって最良最善のことは何かを考え、行動する。人工親友とは高度な人工知能(AI)を搭載し、太陽光をエネルギー源とするロボット。アクセサリーや食器も扱う店で販売されていて、それぞれに個性がある。クララはショートカットの髪に浅黒い肌のフランス人風のかわいらしい容姿で、ずばぬけた観察力と学習意欲でジョジーや周囲の人について理解を深める。

 長崎市生まれの英国人小説家カズオ・イシグロさん(66)が2017年のノーベル文学賞受賞後に初めて出版した長編小説「クララとお日さま」(早川書房)を読んだ。

 クララは、重篤なジョジーが回復することを信じ、太陽に祈り続ける。そのためにあるたくらみを計画し、身を賭して実行に移す。合理的・効率的なイメージがあるロボットの行動としては滑稽だが、それでもクララは信じ、祈り続ける。それは宗教行為のようでもあり、現代人より人間的に見える。...

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