『駅 STATION』道警刑事の健さん、人生に迷って行き違う冬景色

フクオカ☆シネマペディア(39)

 高倉健は、出身地の福岡からはるか遠い、北海道を舞台に印象的な主演作を数多く残している。例えば、「網走番外地」「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」「鉄道員(ぽっぽや)」…。今回の「駅 STATION」(1981年、降旗康男監督)もその一つ。長く陸の孤島だった厳寒の地、雄冬(おふゆ)出身の道警刑事を演じる。捜査一辺倒の人生への疑問符を抱いた、迷えるタフガイだ。

 三上英次は、五輪選手になるほど、射撃に秀でている。殺人事件の現場では、その腕を生かし、勇猛果敢な胆力と沈着冷静な判断力で事件を片付ける。だが、どうも女性関係はいまひとつ、うまくいかない。どこかで裏切られ、あざむかれ、行き違う。

 映画は、妻・直子(いしだあゆみ)、幼い息子2人と、駅頭で別れる場面から始まる。五輪合宿や仕事で家を空けることが多かったのだろう、間違いを犯した妻を、英次は許せなかったようだ。

 ある殺人事件では、逃走した容疑者(根津甚八)の潜伏先をつかもうと、増毛(ましけ)駅の駅前食堂で働く容疑者の妹、すず子(烏丸せつこ)の動静を追う。あっけらかんとして考えが足りないようなそぶりのすず子に、英次ら捜査班は「兄の行方は知らない」と思い込み、だまされる。連絡がつく状態だったのだ。強力犯には強い英次も、女性心理の解読は得意ではない。

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